3月の生産者物価も大幅な伸び。しかし、さらなる加速の可能性は今のところ低い。

インフレは依然として強さを見せ続けています。昨日発表された3月の生産者物価指数は大幅な伸びを記録し、インフレが引き続き経済を苦しめていることが確認されました。先日の消費者物価の値と合わせてインフレの健在が証明された形となっており、金融政策は引き続き維持されることでしょう。しかし、一部では弱さも見られることから、さらなる上昇の可能性というのは少ないのかなという感じです。

消費者物価に続き、生産者物価も大幅な伸び

昨日発表された3月の生産者物価指数は大幅に伸び、物価動向は引き続き厳しさを見せています。

3月の米生産者物価指数(PPI)は前年同月比で11カ月ぶりの大幅な伸びとなった。ただ、米金融当局がインフレ目標の基準とする個人消費支出(PCE)価格指数を構成する一部のカテゴリーでは伸びが鈍化した。 変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比0.2%上昇。市場予想に一致した。前年同月比では2.4%上昇。予想は2.3%上昇だった。

  10日に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)統計では、コア指数が3カ月連続で市場予想を上回る伸びとなり、利下げ開始時期に対する見通しが後ずれした。

  PPIの複数の項目はPCE価格指数に使われるが、ヘルスケアなど一部は伸びが抑制された。3月のPCEは今月26日に発表される。

  サービス価格は3カ月連続で上昇し、根強いインフレの主因となっている。

  ポートフォリオ運用費用は0.5%上昇し、外来医療費は横ばいだった。より広範に見ると、サービス価格は0.3%上昇した。航空運賃の上昇が一因。財の価格は小幅下落した。

  米金融当局は利下げ時期を検討する中でサービスインフレの低下を待っている。一方、最近の財のデフレ傾向は、原油など商品価格の上昇により滞る危険性がある。

  原油価格は地政学的な不安や供給懸念から昨年10月以来の高値付近で推移しており、生産・輸送コストの上昇を招き、消費者に波及する恐れがある。

  エネルギー以外にも、銅価格は2022年半ば以来の高値をつけ、製鉄に使われる鉄鉱石のコストも上昇し始めている。

  米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業総合景況指数によると、仕入れ価格指数は22年7月以来の高水準となり、生産指数も回復した。

  食品とエネルギー、貿易サービスを除いたPPIは前月比0.2%上昇し、前月分は下方修正された。

  生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財のコストは低下した。

引用:bloombergより

このように先日の消費者物価に続き、生産者物価においても引き続き強さを残していることが確認されました。このため金融政策はしばらく現状が維持されることがほぼ確実になったと言っていいでしょう。しかし、一部では弱さも見られることから、懸念されていた再加速や再びの利上げの可能性についてはそこまで高くはないのでしょう。しかしながら厳しい状況がしばらく続くだろうということには変わりないという感じです。

さらなる加速はなさそう

今回の結果についてもこれまでのインフレ指標の動きと同様の流れであり、インフレ健在を示すものとして十分説得力のあるものと言っていいのでしょう。そういう意味では利下げはやはり時期尚早であり、しばらくは現状維持をすべきという意見が多くなるものと思われます。しかし、一部で懸念されていたインフレ再加速や利上げの懸念というのは今のところ低いのか何という感じです。PCE構成要因の一部では弱さも見られたりと、そこまで悲観することはないのかなという感じがします。いずれにせよ市場が期待するような利下げはしばらくないと言っていいでしょう。

まとめ

今日は3月の生産者物価指数について見てきました。インフレは未だ健在であり、利下げはまだまだ先になると言っていいでしょう。しかし、さらなる悪化の可能性については今のところ低いと言っていいような気がします。そういう意味ではしばらく現状を維持し、我慢比べが続くと言っていいのかなと思います。