株価の下落は今まで高すぎて変えなかった株を買う絶好のチャンス

連日の株価下落は投資家心理を非常に悪化させています。ここ数日で米国株は直近の高値から大きく値を下げました。ときどき反発する動きは見られますが、まだまだ力強さはありません。インフレも継続中のため、FRBは経済状況よりもインフレ抑制に重きを置いているようで、少々の株価下落はもう覚悟の上という感じです。そうなるとしばらくは厳しい日々が続くことになるでしょう。しかし、悪いことばかりではありません。株価が下落しているということは、今まで高くなりすぎていた株を安く買えるということでもあります。そのような指摘がされていましたので今日はその件について紹介したいと思います。

高かった株が安くなっているのに買おうとしないのはおかしい

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのアンドルー・スリモン氏はBloombergで現在の株価下落時の投資家の行動について分析しています。株価下落により投資家は非常に慌てふためき、おびえているといっています。しかし、通常であれば株価が高すぎることを嘆き、もう少し安くなってから買おうといっていた人たちが、いざ株価が下がってくると尻込みをしてしまい、願っていた状況になっているにもかかわらず投資ができなくなっているというのです。この意見には賛成です。少し前までは特に米国株価は上がりすぎだといっていた人たちが、せっかく株価が下落しているのに買おうとしないというのはおかしいように思えます。もちろんもっと下がるはずだと思っているのでしょうが、どこが底なのかなんてことはだれにもわかりません。もしかしたらもう調整は終了で、また上昇が続いていくかもしれないのです。そうなったら株を買うチャンスを逃してしまうことになります。昔から投資の世界ではこのような話は何度も繰り返されてきています。おそらくは今回も同じなのでしょう。

きちんとしたルール作りが重要

そのような状況に陥らないようにするためにはどうすればいいのか。スリモン氏はきちんとしたルールを作り、それに従って投資をするべきだといっています。

だから、必要なのは、感情を排する枠組みを作ること。よし下げが来た、投資する水準だ。10%、15%の下げは珍しいことじゃない。20%の下げは珍しいから、投資すべきレンジだ。といった具合だ。

引用:The Financial Pointer 10%下落なら押し目買いスタート:モルガン・スタンレー より

このように明確な投資ルールを決め、何が起きようともそれを順守して投資を行うことを推奨しています。この意見にも私は完全に同意します。人間は非常に意志の弱い生き物です。もっと安くなってから買おうとしても、株価が下落している状況ではなかなか買う勇気は出てこないでしょう。なのでもう少し待とうとか、少し上がってきてから買おうと思っていても、結局は投資する機会を逃すだけでなかなかチャンスをつかむことができなくなってしまうのです。そうならないためにもきちんとルールを作り、それに従って行動することが結果的には良い投資を行うことができるのです。その投資ルールの一つが積立投資などの定期的に行う投資であり、個人投資家にとって最も最適な投資方法の一つなのです。

米国株の魅力は増してきている

現在の米国は連日の株価を下げています。経済状況や金融政策を考えると今後も軟調な推移が続くことが予想されます。なので今まで高すぎて投資できないと思われていた米国株市場が、非常に割安な有望市場になる日が近づいてきているのです。インフレが進み、株価がさえない米国ですが、実際の企業業績はそこまで悪くはありません。着実に利益を上げ、成長を続けています。今は企業業績が問題で株価が下げているのではなく、金融政策やインフレ等が問題となって市場が下落しているのです。なので、いつになるかはわかりませんが、インフレが落ち着き、金融政策が正常に戻っていけば必ず企業業績の再評価が行われるでしょう。そうなったとき、米国市場はもう一度上昇を始めると思います。米国株に悲観的な意見は多く聞かれますが、長期的に見れば非常に有望な市場であり続けると思います。そういう意味でも安く株を買えるチャンスを逃さないようにしたいところです。

まとめ

今日は下落が続く米国市場について考えてみました。一時期は高すぎるといわれていた米国株もだいぶ値下がりして買いやすくなってきたように思います。せっかく安く買えるのですから、このチャンスは逃したくないものです。個別株をやっている人は今まで高くなりすぎていた株をもう一度調べてみるのもいいでしょう。そうでなければ今まで通り、インデックスに淡々と投資していけばいいと思います。この程度の下落は株式市場ではよくあることです。いちいち驚いていては切りがありません。何が起きようときちんと決められたルールに従い投資をしていきましょう。