続・バークシャーハサウェイ社の年次株主総会でウォーレン・バフェット氏とチャーリーマンガー氏の発言について

前回に引き続き、先日行われたバークシャー・ハサウェイ社で行われた年次株主総会でのバフェット氏とマンガー氏の発言についてみていきたいとおもいます。何度も言いますが、株式投資をするうえで、この二人の考え方というものは非常に参考になるものが多くあります。実際あれだけの成功を収めた人の考え方ですから、聞く価値は十分にあると思います。もちろん、彼らの言っていることがすべて正しいというつもりはありません。間違っていることや自分に合わないこともあるでしょう。しかし、少なくとも彼らはその考え方で成功しているわけで、そのことについて知っておくことが投資家にとって損失になるということはないと思います。特に長期投資家にとっては重要なものばかりではないかと思います。それでは早速発言についてみていきましょう。

マンガー氏も中国投資について政治リスクを覚悟している

マンガー氏が中国に積極的に投資をしていることは周知の事実です。このことについては投資家の中からも賛否両論が常に寄せられています。このことについての発言もありました。

私が中国に投資している理由は、はるかに良い企業がはるかに安い株価で見つかるからだ。良い会社に安く投資するために少々政治リスクを取っている。

引用:The Financial Pointerより

マンガー氏にとって中国株式市場というのは非常に安価で優良な株式を見つけることができる有望な市場ということなのでしょう。特に近年は米国などは異常なほど株価が高騰しているため、バリュー株投資の視点で見ればとても投資がしづらい環境になっています。そのことについてはバフェット氏、マンガー氏ともにばかげていると批判をしています。そういうこともあり、米国ではなく海外へも目を向けることも多いのではないかと思います。確かに中国株は最近はあまり以前ほどの輝きはないように思います。特に香港やウイグルなどの政治リスクが顕在化した現在、特に欧米からの投資というのは以前に比べて積極的には行いづらくなっていることは事実でしょう。そういう意味では中国に投資するということは先進国に投資するよりも明らかに政治リスクが高く、危険であるといわざるを得ません。これは多くの投資家にとっては周知の事実であり、だからこそ中国への投資を見送っている人も多いのではないかと思います。実際に私も以前は投資していましたが、今は完全に撤退しました。やはり政治リスクの大きさが年々増大してきていることや、将来に向けてそれがとても収まるとは思えない現状を考えると、投資するのは危険すぎると判断しています。当然マンガー氏もそのことは理解しているようで、政治的なリスクをとっているといっています。個人的にはそのリスクに見合うだけの価値があるのかかなり疑問なんですが、マンガー氏にとってはあるというのでしょう。この辺りは個人的には同意できない感じです。まあ、今すぐどうなるということもないのかもしれませんし、そうなったときの対処方法も考えているでしょうから問題ないのでしょう。

暗号通貨はやはり投資対象ではないようです

暗号通貨についても発言があったようです。バフェット氏が暗号通貨について以下のような発言をしています。

米国の農場の1%を買わないか・・・安売りで250億ドルと言われたら、私は買う。・・・米国のアパートの1%を250億ドルで買わないかと言われたら、私は買う。・・・さて、世界中のビットコインを25ドル(億ドルではない)で買わないかと言われたら、私は買わない。何に使うのか。

引用:The Financial Pointerより

非常に厳しい発言です。以前から両氏は暗号通貨について批判的でした。それは今も変わっていないようです。バフェット氏にとって暗号通貨というものは何の価値も生み出さないものなのだと思います。アパートは家賃という定期収入を継続的に生み出します。農場も食料という人間にとって不可欠なものを定期的に作り出すことができます。しかし、暗号通貨というのはそれだけでは何も生み出すことがないから投資対象とはならないというのです。確かに暗号通貨はそれを取引したいという人と売買する以外に利益を出す手段がありません。そういう意味では安定的な収入源にはならないでしょう。以前からバフェット氏は価値を生み出さないものというものには興味を示してきませんでした。コモディティなどが典型的なものです。なので暗号通貨にも興味がないというのもむしろ当然なのかもしれません。個人的には暗号通貨には興味がありません。全く無価値とバフェット氏やマンガー氏のようには思いませんが、投資する価値があるとも思えません。株式で十分だと思っています。もちろん将来は暗号通貨というものも円やドルなどの法定通貨と同等、それ以上の価値が生まれる可能性も秘めているのだとは思います。しかし、今のところ私はそこまでリスクをとって投資する価値があるとは思えませんし、必要性も感じません。投資するのであればもう少し価値が見えるようになってからで十分だと思っています。それだと利益はかなり少なくなるとは思いますが、そこまでのリスクをとる必要もないでしょう。

まとめ

今日は先日行われたバークシャーハサウェイ社の年次株主総会でのバフェット氏とマンガー氏の発言についてみてきました。今回は中国と暗号通貨についての発言ですが、中国についてはあまり同意できませんが、暗号通貨については共感できるといった感じです。いづれにせよ投資の世界にはいろいろな投資方法や考え方があります。必ずこうしなければならないということはないと思っています。結果が全てです。どんないい加減なことでも結果が出れば良しとなりますし、どんな素晴らしい理論を構築したとしても結果が出なければ何の意味もありません。そういう意味では両氏の発言を鵜呑みにするのではなく、きちんと自分で考えて行動することが大切です。そうすればおのずと結果はついてくると思います。