終・バークシャーハサウェイ社の年次株主総会でウォーレン・バフェット氏とチャーリーマンガー氏の発言について

今回も先日行われたバークシャーハサウェイ社の年次株主総会での発言についてみていきたいと思います。随分と長くなってしまいましたが今回で最後となります。ですがどれも非常に重要なものばかりであり、特に個人投資家にとっては知っておいて損のないものでしょう。なのでしっかりと聞いて、今後に生かしていきたいところです。

インフレへの対処の仕方

現在、世界で最も重要なテーマの一つとしてインフレがあります。日本は今のところそれほどでもありませんが、米国などのインフレ率の上昇は異常なほど高く、経済にとって非常に大きな問題となっています。そのような中、投資家として、また一個人としてできることは何なのかということをバフェット氏は教えてくれました。

あなたが何かの活動でみんなから選んでもらえるようになれば、歌、野球、弁護士なんであれ、あなたから奪うことができない能力なら、あなたがインフレで目減りすることもない。他の誰かが育てた小麦、綿花、なんであれ、あなたの能力と売買したがるだろう。だから、ダントツで最良の投資とは、自らを成長させることなんだ。それには税金もかからない。

引用:The Financial Pointer

非常に重要な話です。自分が持っている能力が世界で唯一の物であれば周りがどうなろうと関係ないのです。たとえインフレで価格が上昇したとしても、自分にしかできないものであれば価格決定権は自分にあります。なのでどれだけ物価が上昇しようが関係ないのです。逆に誰にでもできるものしか武器がないのであればどうしても価格で勝負せざるを得ません。そうなるとインフレが起きてしまえば利益を圧迫することとなり、商売はうまくいかなくなるでしょう。今インフレで世間は大変だといっています。企業はコストを転嫁することに悩み、利益を圧迫され続けることに苦しんでいます。それはつまり自分たちの扱っている商品、能力が唯一無二の物ではなく、誰でも扱っているものだったり代替しやすいものだったりするからなのです。そうでなければコスト上昇分を遠慮なく価格へ転嫁しても消費者は買ってくれるはずです。なぜならそれ以外の選択肢はないからです。そのようなビジネスを行っているのであればインフレなど遅るるに足らずということなのでしょう。

投資スタイルの基本

この発言というのはバフェット氏とマンガー氏の投資スタイルの基本という感じがします。彼らが投資する対象というのは一時的なブームになっているようなものには投資しません。その多くはこれから将来にわたって安定的に利益を生み出せるようなものばかりです。そういうものというのは必然的に誰でも扱っているようなものではなく、唯一無二の製品や能力を持っている企業になっていきます。そういう企業が理論的な価格よりも十分に安くなっているときに買うというスタイルこそが彼らのやってきたことであり、それで結果を残してきたのです。

私も大賛成の考え方

個人的にはこの考え方には非常に同意します。特に若い人であればまずは自分のできること、誰にもできない自分だけの能力を身に着けるための努力をすべきでしょう。それが実現できれば何が起きても全く心配する必要がなくなります。投資家としてはそのような能力を持っている企業に投資すべきです。そうすればインフレが起きようとも大きな景気後退が起きようとも何も恐れる心配はありません。なぜなら人類にとって必要なものであれば社会がどうなろうが景気がどうなろうがなくなることはないからです。そうであれば倒産することはまずありえないし、状況が改善していけば自然と株価は上昇するでしょう。短期的に盛り上がっている株で利益を出すことも十分に可能だとは思いますが、そのようなことでずっと勝ち続けるというのは至難の業ですし、できる人というのはごく限られた人だと思います。何のとりえもない個人投資家にとって最良の方法というのはそういう唯一無二の能力を持った企業の株にじっくりと長期の視点で投資し続けることだと思います。そうすればおのずと結果はついてくるでしょう。

まとめ

先日行われたバークシャーハサウェイでの年次株主総会での発言について随分と長く話してしまったという感じです。しかし、どれも非常に重要なものばかりであり、共感できることだらけです。特に個人投資家の人にはぜひ知ってもらいたいものなので、とりあげてみました。私はこれからもこの考え方をもとに投資は続けていくつもりです。そしてこの方法は自信をもって皆さんにもお勧めできます。もちろん批判もあるでしょうし、それ以外の方法についても否定するつもりはありません。しかし、結局のところこの方法が一番簡単で確実だと思います。ほとんどの個人投資家の人は投資に時間を割くことなどできないでしょう。それに多くの知見も持ち合わせていないはずです。であればこのような長期の視点でじっくりと取り組む方法が一番だと思っています。