FOMCの議事録が公開される。FRBはかなりタカ派な模様。

4月6日、3月に開催されたFOMCの議事録が公表されました。その内容を見ると、多くのメンバーが利上げに対してかなり強気な発言をしていたようです。そしてQTに関してもかなりのペースで行うことが望ましいという意見が多かったようです。そういう意味では今後、よほどのことがない限り金融引き締め政策は非常に強く、かつハイペースで進んでいくものと思われます。なので今後は株式相場の上値は重くなっていく可能性が高くなったと思います。そういうわけで今日は先日発表されたFOMC議事録についてみていきたいと思います。

FOMCのポイント

3月のFOMCの議事録が公開されましたが、ポイントとしては以下の2点ではないかと思います。

  • 多くのメンバーが複数回での0.5bpでの利上げを支持していた
  • QTについては5月より開始され、その後徐々にペースを上げていき、7月には米国財務省証券を600億ドル、住宅抵当証券を350億ドル程度のペースで減額していき、それを維持する

金利についてはある程度予想はしていましたが、やはりかなりのペースでの利上げを行うつもりなようです。複数回での0.5bpの利上げを行うとなると今年中にはかなりの政策金利上昇が行われることになります。大体識者の予想を見てみると、2%台半ば付近を予想しているように思いますが、おそらくその付近まで行くことはほぼ間違いないでしょう。QTについてもかなりの強気な姿勢で臨むようです。前回のFOMCではQTについてはあまり踏み込んだ発言はありませんでした。しかし、裏ではこのように思い切った議論がなされていたわけです。そして毎月950億ドルものペースで資産を減額していくというのはかなり強力なことをしようとしています。前回2017年から2019年にかけて行われた資産圧縮の際は毎月500億ドルの規模でした。今回はそれの約2倍近い規模で行われるということです。そういう意味でもかなりのインパクトがあるのではないかと思われます。

FRBの姿勢が緩む可能性はかなり低くなったのではないか

3月のFOMCではかなり思い切った議論がなされていたようです。当時はウクライナ情勢の悪化もあり、少しFRBの姿勢も緩むのではないかという話もありました。しかし実際にはインフレに対する強い警戒感がFRB内では共有されており、インフレ抑制に真剣に取り組んでいこうという意思が示されたのだと思います。今回の議事録を見る限りFRBは今後よほどのことがない限り、金融引き締めの政策を緩めることはないでしょう。そのくらい強い意志を感じさせるものでした。

株式市場にとってはやはり厳しい展開となる

今回の発表を受けて、やはり株式市場は上値は重くなるような気はします。実際株式市場は軟調ですし、しばらくは持ちこたえるかもしれませんが、先行きの不透明感から上値は追いづらいでしょう。今回のFRBの政策は失敗だという意見も多く聞こえます。実際どうなのかについては今後わかってくることではありますが、今までのようにとにかく米国株に投資しておけばよいというような楽な相場はもう終わりを迎えることになるのでしょう。

まとめ

今日は先日公開されたFOMC議事録についてみてきました。FRBはやはり相当インフレを警戒しているようです。これだけ国際情勢が緊迫している中でもこの姿勢を示しているのですから、今後その姿勢が揺るぐという可能性はまずないのではないかと思います。それだけ米国の経済状況が厳しいということなのでしょう。しかし、長期投資をしている人にとっては株価が下落することはむしろチャンスだと思います。長期的に見れば数年下落したとしてもその後は上昇していくでしょうからむしろ投資の好機だと思います。これからもこの自由な資本主義が続いていくと思うのであれば投資を躊躇することはありません。淡々と投資を続けていくことこそが大切なのだと思います。