ISM非製造業総合景況指数は前回よりも回復する。

米国の景気後退の危険性はまだ否定はできませんが、強い労働市場などそれを回避できるのではないかという期待も少し出てきています。もちろんまだ楽観的になるほどではありませんが、一時期に比べると少しその可能性も小さくなったのかなという印象です。

ISM非製造業総合景況指数は回復

先日発表されたISM非製造業総合景況指数は前回の数値よりも回復し、消費の現場はそこまで悪くなっていない可能性が示唆されました。

米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業総合景況指数は、不調だった前月から改善した。消費者の需要が再び活発化し、景気が早期に減速するとの懸念が薄れた。

  新規受注の指数は15ポイント余り上昇し、2022年初め以来の高水準に並んだ。ISM製造業指数の生産に相当する業況の指数も上昇。いずれも60.4となった。業況指数は過去1年で2番目の高水準。

  今回の統計は昨年末に見られた消費活動の鈍化が持続的な支出抑制の始まりではなく、一時的な中断であった可能性が高いことを示唆している。予想を大幅に上回った1月の雇用統計と合わせ、ISM指数は労働市場とインフレ鈍化、賃金上昇が少なくとも今のところは引き続き消費を支援していることを示唆した。

  ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は発表文で、「反応は産業や企業ごとに異なるが、回答者の過半数は事業のトレンドが良い方向にあることを示唆している」と指摘。「一部の企業はなお人員の採用に苦慮しているが、人員削減を促進している企業もある」と述べた。

  1月は農業や公益事業など10産業で活動が拡大。運輸や倉庫など8産業は活動が縮小した。

  新規輸出受注も大きく伸び、中国が新型コロナウイルス関連の制限措置を緩和したことを反映している可能性が高い。

  仕入価格指数は67.8と、2年ぶりの低水準となったが、なお価格上昇を反映している。

  雇用指数は小幅に上昇して50となり、人員数がほとんど変わっていないことを示した。一方、3日朝に発表された雇用統計では、民間のサービスセクターで雇用者が40万人近く増加した。非農業部門雇用者数は51万7000人増加し、失業率は53年ぶりの水準に低下した。

引用:bloombergより

このように1月は非製造業の現場ではそれほど景況感が悪化していないことがわかりました。製造業では依然として厳しい状況が続いていますが、サービス業など一部では依然として好調な状況が続いているのだろうと思います。インフレや.人員削減など非常に景気に悪いニュースも相次いでいますが、雇用が安定していたり、このように消費が力強かったりとまだまだ米国経済はそこまで悪くないのではないかと思わせるようなニュースも多くなってきました。もちろんこれをもってすべて解決ということはありませんし、今後急激に悪化し、リセッションへ突入というリスクも捨てきれません。なので警戒は怠らないようにしたいですが、思っているよりも米国経済は悪くはない可能性も十分に考慮しなければならないのかなという印象です。

思ったほど米国経済は悪くないのかもしれない

個人的にはまだそこまで楽観的に離れませんが、それでもあまり悲観的になることもないのかなという印象です。インフレや業績悪化や人員整理など悪いニュースも多くありますが、今回のようなよいニュースもありますし、なんといっても雇用が安定しているというのは非常に安心材料です。雇用が安定している限りはそこまで経済は悪化しないでしょうし、消費も何とか保てているのであれば厳しいインフレや金融政策にも米国経済は耐えることができるかもしれません。これまではやや厳しい予想を多く聞いていましたし、私もそのような感じで受け取っていましたが、もう少し楽観的な見方もしてもいいのかなという印象です。もちろんほんの少しだけですが。

まとめ

今日は先日発表されたISM非製造業総合景況指数についてみてきました。米国経済は思っているほど悪くはないのかもしれません。悪くないといういい方は正しくないのかもしれませんが、そうであったとしても十分にそれに耐えうるだけの体力を持っているという方が感覚的には正しいのでしょう。正直これは完全に予想外の事態ですが、うれしい誤算といった感じです。今後もこの誤算が経済正常化までもってくれればいいのですが果たしてどうでしょうか。やはり厳しいとは思いますが、何とかそれまで持ってほしいものです。