JPモルガンが月の利上げについての予測を修正

強い雇用統計を受けて、FRBの金融政策がタカ派で推移するという予測は日に日に強くなってきています。先日もJPモルガンが9月の利上げの予想を75bpに修正しました。このように市場はより強い金融引き締めについて織り込んできています。そういうわけで今日は今後の金融政策について考えてみます。

JPモルガンが予想を修正

先日JPモルガンが当初の予想を修正し、9月の利上げについて、75bpとすると発表しました。

5日に発表された7月米雇用統計の衝撃を受けて、JPモルガン・チェースやエバコアISI、LHマイヤーは今年予想する米利上げ幅を引き上げた。シティグループは9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で政策金利が1ポイント引き上げられるリスクに留意している。

  JPモルガンのマイケル・フェロリ氏とLHマイヤーマイヤーのデレク・タン氏は、9月20ー21日のFOMC会合では75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを予想。従来は50bpの利上げを予想していた。エバコアのクリシュナ・グハ氏は今年全体での利上げ幅を0.25ポイント引き上げ、12月には政策金利レンジの上限が3.75%に達するとみている。

  7月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比52万8000人増加し、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想全てを上回る伸びとなった。失業率は3.5%と、約50年ぶり低水準と一致。賃金の伸びも加速した。同統計は約40年ぶりの高インフレを相手に闘うFOMCに、6月、7月に続いて9月も75bpの利上げを決定する動機を与えた。

  「米金融政策当局を突き動かしているインフレ懸念は、雇用統計でますます強まった」とフェロリ氏。統計の数字で「リセッションへの不安は和らぐが、今後も一層の利上げが続くという懸念は増幅される。9月の利上げ幅が75bpになる可能性は高くなってきたようだ」とリポートで指摘した。

引用:Bloombergより

このようにJPモルガンは9月での利上げを上方修正しました。これまでは比較的緩めの予想をしていた同社ですが、7月の雇用統計の結果を受けて修正をしたようです。確かに予想外に強い数値だったために、衝撃を受けた人も大勢いたでしょう。そういう意味では今後もこのような発表はいくつも出てくる可能性はあります。

FRBは柔軟性を持たせている

実際のところどうなるかというのは正直まだわからないといったところです。何度も言いますが、9月の利上げについて決定されたことはまだ何もありません。パウエル議長をはじめ、FRB関係者のいずれも予想は出してきますが、柔軟性を持たせる発言をしています。つまり今後の経済指標次第でどのようにも変化する可能性があるということです。そういう意味ではあまり決めつけるということはやめておいた方がいいでしょう。

最近の経済指標は強弱いろいろあり、予想が難しい

ただ、雇用統計の値は非常に強いものでしたが、弱い経済指標も多く発表されていることも事実です。だからこそ金融引き締めが緩むという予想も出てきていました。そういう意味では最近の経済指標というのは非常にばらつきが多く、判断に困るといった印象もあります。それだけ難しい状態だともいえますが、非常に予想がしづらいといった感じです。そういう意味でも今後も予測の修正というのは頻繁に起こってくる可能性があり、注意が必要でしょう。

まとめ

今日は9月の利上げについてどのようになるのかということを考えてきました。市場では75bpというこれまで通りタカ派の予想が多くなってきています。しかし、弱い経済指標も多く存在し、これからも予測の変更は起きてくるのではないかと思います。特に労働市場は好調ですが、他の指標については弱いものが多く、今後もそのような前回弱かった指標の発表が相次いできます。そういう意味ではまだまだ9月の利上げがどのようになるのかというのはわからないといっていいのでしょう。しばらくは荒れた展開が続きそうです。