米国の労働市場は相変わらず強い。本当にいつまで続くんでしょうか。

米国の強い労働市場は今も健在のようです。5日に発表された労働市場関係の指標はいずれも好調な結果となっており、厳しい引き締め政策の中でも引き続き雇用は堅調であることが確認されました。労働者にとってはいいことだと思いますが、インフレ抑制という観点で見れば頭の痛い問題です。去年より厳しい引き締め政策が継続されており、インフレの終息というのを今か今かと待ち望んではいますが、その時はまだまだ先になりそうな感じです。

新規失業保険申請件数は相変わらずの低水準

先日発表された去年12月最終週の新規失業保険申請件数は非常に低水準となり、引き続き米国の労働市場が堅調であることが確認できました。

 米労働省が5日に発表した2022年12月31日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は1万9000件減の20万4000件と昨年9月終盤以来、3カ月ぶりの低水準となった。

12月のレイオフも43%減り、労働市場の逼迫が示された。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを当面続けることが必要になる可能性がある。

ロイターがまとめた新規失業保険申請件数のエコノミスト予想は22万5000件だった。

休暇期間に伴う変動で申請件数はやや不安定な面がある。テクノロジー部門や、金利動向に敏感な住宅・金融などの業界で多くのレイオフがあったものの、件数は非常に低い水準にとどまっている。

12月24日までの1週間の継続受給件数は前週比2万4000件減の169万4000件だった。

国際的な再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは5日、米国に拠点を置く企業が昨年12月に発表した雇用削減は前月比43%減の4万3651人だったと公表。前年同月比は129%増えた。

22年通年に発表された雇用削減は13%増の36万3824人で、1993年の調査開始以来、2番目に低い水準となった。

労働省が今月4日に発表した11月の求人件数は1045万8000件。失業者1人当たりの求人件数は1.74件だった。

引用:ロイターより

このように、失業保険申請件数はいまだに低水準であり、雇用の悪化の気配は感じ取ることができません。ニュースでは大手IT企業を中心に大幅な雇用調整のニュースが出てきてはいますが、全体で見ればまだまだ雇用は堅調であるといっていいのだろうと思います。

ADPの雇用統計も堅調

それを裏付けるような指標も相次いでいます。5日に発表されたADPによる雇用統計の結果は市場予想を大きく上回る結果となり、こちらでも雇用の堅調さを裏付けるものとなりました。

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が5日発表した全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は12月に23万5000人増加した。市場予想の15万人増を上回り、金利が上昇しているにもかかわらず、なお旺盛な労働需要が示された。

11月分は12万7000人増から改定されなかった。

引用:ロイターより

このように米国の労働市場は堅調です。依然として厳しい引き締め政策が続く中でも雇用が全く落ちてこないところを見ると、インフレの終息というのはまだまだ期待できないのかなといったところです。

本当にいつまで続くのか気になるところ

去年より何度もこのような光景は見ているような気がしますが、本当に米国の雇用は強いです。これだけ急激な引き締めを行い、金利も高止まりしているのにもかかわらず、労働市場がこれだけ強いというのは本当に驚きです。労働市場が強いというのはいいようにも思えますが、インフレが問題となっている現在、雇用が強すぎるということは本当に頭の痛い問題でしょう。雇用が強い状態が続けば、需要もなかなか落ちることはなく、旺盛な消費が続いていく可能性があります。そうなればインフレが収まることは当然ながらなく、いつまでも居座る可能性も出てきます。そういう意味では今後も厳しい金融政策は続いていくものとみていいでしょう。かねてより長期間の厳しい引き締め政策が予想されていますが、その予想通りに進んでいきそうです。

まとめ

今日は米国の労働市場についてみてきました。相変わらず米国の労働市場の強さを示された形となりました。本当にいつまで続くのでしょうか?当然ながら永遠にこの強い労働市場が続くわけがないのでいつかは失速するとは思いますが、それにしても本当に強いです。FRB関係者もいい加減下がってくれよと思っているのではないかと思っています。そういうわけで今のところ、これまでの予想通り、長期間にわたり引き締め政策というのは行われる可能性が高くなっており、今年は本当に株式市場にとって厳しい期間が長くなるのかなという感じです。辛いとは思いますが、必ずいつかは上昇するときが来ます。その時のためにじっくりと耐えるのみです。