3月の米国雇用統計は好調な結果となり、改めて米国の労働市場の好調さを裏付ける結果となった

4月1日、注目の3月の米国の雇用統計が発表されました。市場予想には届きませんでしたが、依然として米国の労働市場は好調であることが裏付けられた格好となります。これによりFRBの金融政策もよりインフレ抑制に積極的に出てくるものと思われます。そういうわけで今日は先日発表された雇用統計についてみていきたいと思います。

雇用統計の結果

1日に発表された雇用統計は以下のようになりました。

  • 非農業部門雇用者数 前月比43万1000人増(予想中央値は49万人増)
  • 2月は75万人増(速報値67万8000人増)に上方修正
  • 失業率は3.6%に低下-前月3.8%(市場予想3.7%)

引用:Bloombergより

このように非農業部門雇用者数は前月比で43万1000人増と市場予想は下回りましたが非常に強い結果となりました。2月の結果についても75万人へと上方修正されています。また、失業率も3.6%へ低下しており、米国の労働市場は非常に好調であるといえるでしょう。

次回の利上げは50bpがほぼ確実

今回の発表を受けて、米国の労働市場は非常に好調であることが確認できました。よってFRBは思い切ったインフレ抑制政策を打つことができるでしょう。多くの識者もすでに述べているように、次回の利上げについては50bpでの利上げはほぼ確実となったと思われます。

市場は結果を好感

市場もこれを好感しており、NYダウは上昇して取引を終えています。今後FRBの金融政策はかなり厳しめに進んでいくと思われますが、それを踏まえても市場は上昇しているところを見ると、ある程度の金利上昇についてはあまり心配する必要はないのかもしれません。

QTがどのようになるのかが注目される

今後は利上げに加えQT、量的緩和についてが注目されてくるのではないかとも思います。金利についてはもう市場はかなりの上昇を織り込んできていると思われます。これは前回のFOMCにてパウエル議長の発言からも今後は金利を積極的に上げていく旨の発言があったことによるものです。しかし、量的緩和についてはその時明確な発言はありませんでした。なのでまだどのような方針でFRBが量的緩和について行っていくのかについてはよくわからないところです。ここを間違えてしまうと株式市場は大きく下落することになるでしょう。そういう意味でも今後のマネーサプライの動きにも非常に注目されます。マネーサプライもうまく制御できているのであれば想定されるほど経済は悪くならないかもしれません。

まとめ

今日は先日発表された雇用統計についてみてきました。米国の労働市場は非常に好調です。ウクライナ情勢を受けて経済はかなり混乱していますが、それでも非常に強い結果となりました。これにより今後も利上げは計画通り行われることとなり、よりインフレ抑制に注力することになるでしょう。7%を超えるインフレを制御するということは非常に難しいことは当然であり、スタグフレーションの危険性も十分に考えられますが、今のところ株式市場は順調であり、今後の状況次第ではそれほど景気後退は酷くならない可能性もあるのではないかと思います。いずれにせよ、未来がどのようになるのかはわかりません。どんな状況になってもいいように備えておかないことには変わりないでしょう。