まだまだ油断はできないが、ようやく金融政策の変更ができそうかも?

想定外の消費者物価の数値によりマーケットは若干不安定な様子になってきています。それだけ今後の金融政策の動きというのが気になっているということでもあるのかなという感じです。今のところマーケットは今後の金融引き締め政策の変更を織り込んできたような感じですが、実際のところはそんなに簡単な話ではないのかなという印象です。いろんな意見は出てきてはいますが、結局のところまだインフレは収まってはおらず、引き締めを継続することには変わりないというのが結論のような気がします。そういうわけで今日は最近のFRB関係者の発言についてみていきます。

ようやく金融政策の変更が見えてきた

FRBのブレイナード副議長はイベントで今後の金融政策についての発言をしました。

米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は14日、米金融当局が利上げ幅を小さくする時期が近くやってくるとの見解を示した。一方で利上げを停止する用意はまだないことも強調した。

  ブレイナード氏はブルームバーグのワシントン支局で行われたイベントで、「恐らく利上げペース減速への移行が近く適切になるだろう」と発言。その上で「われわれは多くのことを行ってきたが、追加でしなければならないことがある。強調すべき真に重要なことはそれだ」と述べた。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月1、2両日に開催した会合で4会合連続の0.75ポイント利上げを決定。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは3.75-4%となった。

  ブレイナード氏は「累積的な引き締めが浸透するまでにはいくらか時間がかかるだろう」とし、「そのため、インフレを徐々に低下させるような抑制を確実に続けつつ、より慎重かつ一段とデータに依存したペースに移行することは理にかなっている」と続けた。

  インフレ動向については「直近のCPI統計の数字は、われわれが重視するコアPCE指標も若干低下している可能性を示唆する」とし、「それは歓迎すべきことだ」と語った。

引用:Bloombergより

このようにブレイナード副議長は述べており、今後の金融政策についてはやや減速する可能性を示唆しました。これはマーケットの期待と一致しており、やはり金融政策は変更の可能性が高いのかなという印象を持ちます。しかし、利上げの停止についてはまだ行わないともしており、過度な楽観論にはくぎを刺した形となっています。今後、順調にいけばあと数回の利上げのあとは利上げを停止し、様子を見守るという形になるのでしょうが、それも今後の経済指標や経済の状態次第でしょう。おそらくはその時の状況によって柔軟に変更してくるものと思われます。

少しは明るい兆しが見えてきたのかな

ブレイナード副議長の発言は最近のFRB関係者の発言とも一致するような気がします。弱い消費者物価を受けて最近はややトーンダウンした発言が相次いで出てきています。それとブレイナード副議長の発言は何も違いはありません。そしてまだ利上げの必要性があることも言っており、良い兆候ではあるが、まだ戦いは終わっていないということをマーケットに示しているのだと思います。個人的には消費者物価の値を受けてようやく利上げの終了の見通しが立ってきたと感じているのだと思います。これまでもある程度の想定はしてきてはいましたが、一本調子で物価が上昇していたのでいつ終わるのかというのはなかなか予測しづらい状況でした。しかし、ようやくその動きに変化が出てきたことにより見通しがついたということでしょう。もちろん今回の数値だけですべてが決定しないことは当然であり、そのことについてもきちんと考慮した発言をしています。そういう意味ではまだ何とも言えないところですが、少し明るい兆しは見えてきたのかなという印象です。

まとめ

今日はブレイナード副議長の発言を見てきました。今後の金融政策についてはようやく強力な利上げというものの終着点が見えてきたような気がします。もちろんインフレの終了にはまだまだ険しい道のりが続いていきますが、少しずつ改善の兆しは見えてきているのかなという感じです。そういう意味でも今週の生産者物価の数値などの結果には期待したいところです。