米国経済のソフトランディングの確率は10%。それでも投資はやめない。

米国経済は今後どのような展開となるかわかりませんが、しばらくは荒い展開となりそうな感じがします。FRBによる利上げがどのようになるかで上にも下にも大きく動く可能性は十分にあるでしょう。金融当局としては何とかこのインフレをうまくコントロールし、経済になるべくダメージを与えないようにしようとしていますが、あまりうまくいきそうな感じはしません。そう思っている人は実際多いでしょうし、そのような記事も多数見受けられます。そういうわけで今日は米国経済の今後について考えてみたいと思います。

米国経済のソフトランディングの確率は10%

今後の米国経済について、悲観的な人は日に日に多くなっているような気がしますが、その気持ちを吹き飛ばすような景気のいい話はあまり聞くことはなくなりました。先日も米国のソフトランディングの確率が10%しかないというような記事を見ました。

米ニューヨーク連銀のエコノミストが維持している経済モデルの一つは、米経済のソフトランディング(軟着陸)の確率がわずか10%であることを示唆している。エコノミストらは17日にNY連銀のウェブサイトに掲載したブログで、「このモデルによると、4四半期のGDP(国内総生産)伸び率が向こう10四半期にわたってプラスを維持し続けると定義されるソフトランディングの確率は10%にとどまる」と説明。一方、「1990年のリセッション(景気後退)のように、4四半期のGDP伸び率がマイナス1%を下回ることが、向こう10四半期のうち少なくとも1四半期に起きると定義されるハードランディングの確率は約80%だ」とした。このモデルの予想は「NY連銀の公式な予測ではなく、全般的な予測プロセスにおける調査スタッフのインプットに過ぎない」としている。

引用:Bloombergより

これはあくまで一つの仮説にすぎませんが、この仮説によると、米国経済のソフトランディングの確率はわずか10%しかないとのことです。つまり、ほぼ確実にハードランディングなどの大けがを伴う結果が待っているということでしょう。以前にもボルガーショックのような痛みを伴う政策により、インフレを抑制したことはありましたが今回もそれに近いようなことが起こる可能性が日に日に高くなっているということなのでしょう。もちろんこれは可能性の一つの話であり、絶対にこうなるというわけではありません。今でも楽観論を述べている人もいますし、実際にどうなるか問うことは歴史が証明することになるでしょう。

個人投資家の投資意欲は衰えていない

そんな中でも個人の株式投資に対する意欲は全く衰えていません。これだけ悲観論にあふれ、市場が不安定に下落していくような時でも積極的に買い増している個人投資家は多くいるようです。

実際、機関投資家と異なり、個人投資家は悲観一色ではない。米調査会社バンダ・リサーチによると、米国の個人は5月下旬までの3カ月、株式を一日平均13億ドル(1700億円)買い越した。過去最高水準で、積極的に押し目を拾う姿が浮かび上がる。地球の裏側からインターネットを使って米国株を売買する日本の個人も同じだ。

引用:日本経済新聞社より

このように個人投資家は株式、特に米国株への投資が積極的に行われているようです。高いインフレ等米国経済にも問題が多数残っており、懸念されてはいますが、力強い成長力という点でいえばやはり米国を置いて他に選択肢はないといったところでしょう。実際悪決算も出てきてはいますが、総じてみればまだまだ米国企業の力強さは健在です。そしてこのような時こそ増配や自社株買いなどを行い、株主還元を積極的に行っていこうという企業も多く、投資家にとっては非常に魅力的だといえるでしょう。また、日本から見ると、日米の金利差等もあり、円での資産はどんどん目減りしていく可能性が非常に高いといわざるを得ません。そういう意味では円ではなく外貨、特に米ドルでの運用というのはそれだけで十分に利益を見込めるといっていいのではないかと思います。

まとめ

今日は今後の米国経済の展望と、個人投資家の動きについてみてきました。米国経済の今後というのは正直明るいものではないといえるでしょう。しかし、それを乗り越えていけばまた力強い成長を続けていくであろうと思います。過去にも何度も大きな景気後退局面は訪れましたが、そのたびにそれらを克服し、今のような強い経済を作り上げてきたのです。そういう意味では今は苦しいかもしれませんが、こういう時こそ積極的に投資をしていくべきだと思います。そして私と同じように考えている個人投資家が多数いるということは非常に心強いことだなと感じました。市場が底を打つ時というのはだれもが悲観論を述べています。なので最初の上昇局面というのは誰もがそれについて確信を持てていないのです。しかし、気づいたときにはすでに上昇は始まっており、乗り遅れてしまったということはよくあることです。なのです。そういう意味でもこんな時こそ投資の手を緩めることはせず、淡々とルールに従い投資を続けるべきです。そうすればいつの日かその度量が報われる時が来るでしょう。