米国経済はリセッション入りしてもそこまで深刻にはならない?

新しい年となり、今年の株価がどうなるかというのは気になるところですが、やはりあまりよい状況ではないのだろうというのが今のところの予想です。多くの識者も今年はあまりよい予想はしておらず、厳しい展開が見込まれています。あくまで予想であるので外れることをぜひとも願いたいところですが、なかなかそううまくもいきそうにないかなという感じです。

米国経済はリセッション入りする可能性が高い?

前ニューヨーク連銀総裁のダドリー氏は今後の米国経済について、リセッションに陥る可能性が高いとして警戒を呼びかけました。ただ、それでも深刻なものにはならず、米国経済に対してそこまで悲観的になる必要はないという旨の発言をしました。

ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は、インフレ抑制のため米金融当局が必要に迫られて講じる措置が原因となり、米経済はリセッション(景気後退)に陥る公算が大きいとの見解を示した。ただそうなった場合でも、恐らく深刻なものにはならないと指摘した。

  ダドリー氏は3日、ブルームバーグテレビのインタビューで、「金融当局が必要に迫られて講じる措置のためリセッションに陥る可能性はかなり高い」としつつ、「今回ほかのケースと異なるのは、リセッションに陥った場合、それは金融当局が誘発したものとなり、当局はその後に金融緩和を行うことでリセッションを終わらせることが可能だという点だ」と述べた。

  ブルームバーグ・エコノミクスのシニアアドバイザーを務めるダドリー氏は、金融当局は失業率を十分に上昇させて経済を減速させ、労働市場にスラック(たるみ)をもたらし、2%のインフレ目標と整合する水準にまで賃金インフレを鈍化させる必要があると指摘した。

  ただ、経済を減速させ、そのかじ取りを行うのが金融当局であることから、「金融不安により状況が激変し、経済が深刻なリセッションに陥る大きなリスクがあるとは考えていない」と語った。

引用:Bloombergより

このようにダドリー氏は述べ、今後についてリセッションの可能性が高いが、そこまで深刻な状況にはならないという発言をしています。インフレ抑制のため、失業率の上昇により経済を減速させる必要があり、その結果リセッションに入るだろうということです。しかし、それを金融当局がうまくコントロールし、大きな景気後退には入ることはないとみています。確かにFRBがインフレをうまくコントロールできればそのような結果をもたらすこともできるでしょう。本当にそうなるのかというのは今後わかってくることだと思います。

相次ぐ業績不振のニュース

現状では米国景気は確実に減速してきています。これまで経済をけん引してきたいわゆるテック企業の業績は急速に悪化してきています。去年もそうでしたが、今年に入ってもアップルやテスラなどの業績についてあまりよい話は聞こえてきません。

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テスラ株が一時14%下落、3四半期連続で納車台数が予想下回る

引用:Bloombergより

このようにこれまで堅調な米国経済のけん引役だったテック企業。その中でも代表的なアップルとテスラがこのように不調に陥っており、今後の展開に非常に懸念が残ります。ウクライナ情勢による物価高や世界的なインフレ、そして中国経済の減速など周りを見渡してみても全くと言っていいほど良い話は聞こえてきません。そういう意味では本格的に経済はリセッションへと向かっているのだろうという状況です。

今年もバリュー株が良いかも?

このような状況では株価はやはりさえない展開が続くとみた方がいいでしょう。特にこれまで株価をけん引してきたハイテク株というのは去年はかなり下落しましたが、まだそこはつけていないような気がします。そういう意味ではバリュー株など安定的な業績を上げている企業への投資というのが今年も活発になるのではないかという感じです。どんなに景気が悪くてもすべての企業の業績が悪化することはありません。必ずそのような状況下でも業績を伸ばす企業は存在するのでそういう企業を探して投資するのがいいでしょう。特に今のようなインフレ下においては価格決定権を持つ強力なブランドを持っている企業への投資が有望だと思われます。そういう株を探して投資するのがいいでしょう。

まとめ

今日は今年の米国経済と株価について考えました。やはり今年もいい年にはならないような気がします。しかし、そういう中にあってもよいパフォーマンスを見せる企業は存在すると思いますし、このような状況がいつまでも続くということもないでしょう。必ずいつか光は見えてきます。もし、この苦しい状況下においても有望な企業を探し当てることができるというのであればそれを探し出してもよいですし、それが無理ならおとなしくインデックスに投資ししてじっくり上昇するまで待つというのがいいと思いますし、確実です。個人的にはそれが一番いいとは思っています。