FOMCを受けて、今年は非常に不安定な動きが続くを思われる

1月26日に米国ではFOMCが金融政策の正常化へ向けた発表を行いました。発表内容については予想通りであったものやそうでなかったものなど様々あり、評価は分かれているように思えます。個人的にはFRBが何を考えているのかがはっきりわからなかったのでその辺が不安材料なのかなと思いました。そういうわけで今日は先日行われたFOMCについてみていきたいと思います。

「わからない」ということは悪材料よりも悪い

発表内容についてはおおむね予想通りだったのかなとは思います。3月での利上げはほぼ確定的になり、現在の金融政策は維持されていくものとみられます。ただ、いくつかの不安要素があり、それが株価下落の一因になったのではないかと思います。それは以下の3点になります。

  • 利上げ幅が確定されていない
  • 今後の継続的な利上げの可能性について否定しなかった
  • バランスシートの縮小については今後決めるとした

これらの要因というのは現在市場関係者にとっては非常に重要な関心ごとです。なのでFRBがどのように考えているのか注目されていたと思われます。しかし、結果としては明確な回答は得られませんでした。株式市場にとって「わからない」ということはある意味悪材料よりも嫌われる傾向にあります。たとえ悪い結果だとしても、それが確定してしまえばすぐに株式市場には織り込まれる結果となり、逆に安心感が出るなんてこともあります。しかし、「わからない」という状態は本当にこの先どうなるのかがわからないので投資家としても行動をとりづらいのです。なのでどうしても資金が市場から逃避しやすくなり、株価が下落するということが起こります。しかもその状態というのは「わからない」という要素が解消されない限り永遠に続くのです。そういう意味ではもう少し明確な姿勢を示してもらえた方が、一時的に下落することはあってもすぐに市場は正常な状態に戻ることができたのではないかと思います。今回もFOMCの後は株価が下落しています。正に市場はFRBの姿勢に対して不安を覚えているのでしょう。

バランスシートがどうなるかが重要

個人的に一番注目しているのはバランスシートの縮小がどうなるのだろうかということです。FOMCではパウエル議長がバランスシートが必要以上に大きくなっているという発言をしました。このことから資産縮小が予想よりも早く、そして急激に行われる可能性も否定できなくなったと思います。FRBのバランスシートというのは株式市場と非常に高い連動性があります。FRBがバランスシートを縮小すれば市場に流れる資金量も当然減少します。現在の株高というのは潤沢な資金供給によるところが少なくはありません。なのでFRBが急激に市場の資金量を絞るようなことをすれば株式市場が大暴落することは避けられないでしょう。2000年には前年比で7%の資産縮小を行った結果、ITバブルの崩壊が起こりました。今回も同じようなことが起こる可能性は十分にありえるのです。

非常に不安定な状況が続くが、慌てる必要はない

今回のFOMCの結果として、今後のFRBの動きや米国市場がどうなるかというのは予想がつかないという感じです。おそらくは消費者物価などの状況により柔軟に対応していくのだろうと思いますが、投資家としては非常に動きづらい状況です。先ほども言いましたが、「わからない」という状況は思った以上に行動をとりづらいのです。なのでちょっとしたニュースで株価が大きく上昇や下落を繰り返す不安定な相場が予想されます。今年の年末時点での株価がどうなっているのかはわかりませんが、その過程において株価が大きく動くということはほぼ間違いないのではないかと思います。そういう意味でも長期投資家としては冷静な対応が必要です。一時的な株価の動きに反応せず、決められたルールに基づいて淡々と投資していくことが重要でしょう。投資対象の選定も重要になると思われます。このような不安定な状況でも安定した業績を残せる事業やブランド力を持った株に投資するべきです。

まとめ

今日は先日のFOMCについてみていきました。今回のFOMCについては非常に否定的な意見が多いような気がします。それほど米国のインフレというのは深刻な状況なのだということでしょう。そういう意味でもFRBは非常に難しいかじ取りを要求されることとなり、場合によっては株価の大幅な下落を許容してでもインフレを止めに来るかもしれません。そうなる可能性をきちんと頭に入れておく必要があると思います。しかし、長期投資をしていればこのようなことは定期的に起こります。なのでいちいち慌てる必要はありません。何度も言いますが、何が起きようとも決められたルールに従い、淡々と投資を継続することこそが資産を守る最適解だということです。おそらく今年は非常に厳しい年になることが予想されます。ですが、やることはいつもと同じです。好景気だろうが不景気だろうが我々がやることは何一つ変える必要はないのです。