モトリーフールが日本から撤退!

本日、メールをチェックしていたら衝撃的なニュースが飛び込んできました。

モトリーフール・ジャパンから大切なお知らせ

平素よりモトリーフール・ジャパンの記事をご覧くださり、厚く御礼申し上げます。さて、弊社におきましては、アジアで株式投資コミュニティを構築する一環として、3年前に日本でメディアを立ち上げました。以降、弊社のサイト(motleyfool.co.jp)の情報が、皆様の投資のお役に立てていたのであれば嬉しく存じます。皆様もご承知の通り、企業経営においては、経営資源の最適配分のため難しい判断を迫られることがあります。現在、弊社もそのような局面に直面しているところであります。そのため苦しい決断の結果、誠に残念ながら弊社の日本事業を閉鎖し、弊社運営サイト(motleyfool.co.jp)の記事掲載を終了する運びとなりました。

引用:モトリーフール・ジャパン ホームページより 

なんと、あのモトリーフール・ジャパンが日本から撤退することになったそうです。モトリーフールは私が非常にお世話になっている情報源で、このブログでも時々取り上げていたので知っている方もいると思います。そのモトリーフールが撤退ということで、私はとても動揺してしまいました。米国株の情報は、日本にいるとなかなか調べづらいところがありますが、モトリーフールは非常にわかりやすく、しかも日本語で発信してくれるのでとてもありがたい存在でした。とても残念なニュースではありますがこの撤退を受けて、私が感じる日本の現状について話してみたいと思います。

モトリーフールとは

モトリーフールは投資家から絶大な信頼を得ている「Motley Fool」の日本法人です。1993年に米国で設立され、以来28年間、米国株の情報を発信し続けてきました。投資関連ランキングでは全米5位にランクインするなど、投資家からの支持もとても高くなっています。そのモトリーフールの日本法人は2018年4月17日に誕生し、それから米国の投資情報をわかりやすく、しかも日本語で発信していました。定量的で細かい分析による情報もあれば、ピザやチョコレートなどちょっと変わった視点から見た市場分析など、初心者からプロフェッショナルまで誰もが参考になるであろう情報を提供しています。

米国市場の貴重な情報源

私が米国株投資をするようになって一番困ったのは、情報の少なさでした。もちろん、米国をはじめ、海外のサイトに行けば情報は山のようにありますが、英語の苦手な私にとってそれはなかなかハードルの高いものでした。証券会社や投資情報サイトにもそれなりの情報はありますが、どれも一般的なものに終止し、「もっとこういうことが知りたい!」という私のニーズを満たすものはとても少なかったのです。そんな中、きっかけはもう忘れてしまいましたが、モトリーフールに出会った私はとても衝撃を受けました。非常に多彩な視点から米国株の分析がされており、今まで知らなかった企業の一面がとてもわかり易く発信されていたのです。その情報は投資に役立つのはもちろん、読み物としても非常に面白く、毎日更新される情報を楽しみにしてきました。そして、その情報のおかげでとても素晴らしい銘柄とも出会えましたし、本当にモトリーフールには感謝しかありません。今回の撤退はとても残念ですが、これまでありがとうと言いたいです。

モトリーフールの撤退は日本の現状を見事に表している

非常に残念なニュースですが、こういう話は最近本当に多いような気がします。2020年には世界最大級のインデックスファンド運用会社であるバンガード社が日本から撤退しました。投資の世界に限らず、様々な分野で日本から撤退し、中国を始めとした他のアジアや地域に拠点を移す動きは、かなり前から活発になっています。これは世界における日本の影響力の低下を如実に反映していると思います。昔は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などという言葉もできるくらい、日本は世界の中でとても高い地位を占めている時代もありました。それがバブル崩壊の頃から始まった、いわゆる「失われた30年」の間に日本を豊かで重要な国から、色んな意味でそこそこの国にしてしまったのです。そして誰も日本に注目しなくなってしまい、そんな国に力を入れるより中国や成長著しい他のアジア諸国に力を入れたほうがいいとなったのでしょう。実際私だって、今の日本の現状を見ればそう思います。最近のニュースで日本の半導体のシェアがとうとう6%にまで落ちたと言っていました。昔は世界の半導体は日本がリードしていた時代もありましたが、今はそんな面影は全くありません。このように、日本の国力が低下するに従い、今後もモトリーフールのように日本から撤退する企業は出てくるでしょう。そして、外国の企業だけでなく、日本の企業も日本を捨てて海外に移るかもしれません。そういう意味でも今回のモトリーフールの撤退は今の日本の凋落を見事に表している事象の一つなんだと思います。

前を向くしかない

現状を考えると、とてもつらい気持ちになります。しかし、ここで諦めるのか、上を向いて変わろうと努力するのかで今後は大きく変わると思います。最近は本当に「日本は終わった」論がとても溢れています。しかし、そうはいっても日本はまだ世界第3位の経済大国です。失ったものはあまりにも多いですが、まだまだ世界と戦える武器はたくさんあります。私ができることは本当に小さいですが、少しでも成長ができるように日々精進していこうと思います。モトリーフールの撤退を受けて改めて日本の現状を知ることができたような気がしました。