選挙を終えての個人的な思いを述べてみる

週末に選挙が行われましたが、みなさんいかがだったでしょうか?今回は野党共闘が実現したこともあり、注目していた方も多いのではないかと思います。結果としては与党が12議席減少ということとなりました。これをどう見るのか。なかなか難しい問題ですが、この結果を含め、今回の選挙についての私の感じたことを述べたいと思います。

選挙の結果

  • 自民党 261(-15)
  • 公明党 32(+3)
  • 立憲民主党 96(-14)
  • 共産党 10(-2)
  • 社民党 1(0)
  • れいわ新選組 3(+2)
  • 日本維新の会 41(+30)
  • 国民民主党 11(+3)
  • その他 10(-1)

 カッコ内は改選前からの増減

参照:yahoo ニュース 

結果を受けての第一印象

私の率直な感想は野党共闘の敗北です。今回の選挙で議席を減らしたのは自民党、立憲民主党、共産党です。それ以外の政党は議席を増やしていますから、こちらは勝利といっていいでしょう。少なくとも敗北ということはないと思います。特に日本維新の会の議席数は本当に驚きました。改選前から4倍近くの数になり、公明党を超え、第3勢力にまで拡大しています。それに比べて、打倒自公政権を掲げ、共産党とまで手を結び、選挙に臨んだ立憲民主党は大きく議席を減らすことになってしまいました。共産党も議席を減らしています。間違いなく野党共闘は国民の支持は得られていないという証拠です。もちろん、与党も議席を減らしたのですからよかったということはないでしょう。特に、石原伸晃議員など大物議員の落選や、甘利幹事長の小選挙区での落選等、とても喜べる状況ではありません。しかし、選挙前は40議席は減らすのではないかとか、自民単独で過半数は厳しいとか言われていたくらいです。前回の選挙で与党は勝ちすぎてしまったので、これ以上はどうやっても議席は増やせないだろうといわれていました。ですから、岸田総理も含め、ある程度議席を減らすことは覚悟していたでしょう。それがたった15議席で済んだのですから、自民党としては結果に不満はないと思います。そういう意味でも今回の選挙は野党共闘の敗北だと私は思います。

なぜ野党共闘は負けたのか

野党共闘はなぜうまくいかなかったのでしょう。いろいろな要因があるとは思いますが、私が感じた要因は以下の2つになります。

  • 与党との政策の違いが分かりづらかった
  • 共産党と組んだこと

今回の選挙では与野党ともに分配を始めとした手厚い補償が全面に出ていたように思います。とにかく弱者救済、国民を大事にしますと過保護な親が子どもを扱うがごとくのようでした。もちろん分配や格差是正などは大切な問題だと思います。最近は昔と違って日本も外国のように格差は確実に広がっていますし、重要なテーマの一つでしょう。しかし、与党も野党も同じようなことを言っていては、有権者としては違いがよくわからなくなります。それではわざわざリスクをとって政権交代をしようと思う人は少ないでしょう。政権与党はそれでいいかもしれませんが、政権を取ろうという立場の野党としては、あきらかに戦略ミスであると言わざるを得ません。与党との違いを全面に出し、自分たちが政権を取れば明るい未来があるんだという政策を打ち出せなかったことが問題なのだと思います。そして、それができていた日本維新の会が大きく議席を伸ばしたのです。日本維新の会は今回の選挙では一番改革について訴えていたと思います。もともと地方分権、統治機構改革を訴えてできた政党です。改革に対する思いは他の政党よりも強いのでしょう。それに合わせて他の党の改革に後ろ向きな姿勢が日本維新の会の票を大幅に伸ばした原因だと思います。対して立憲民主党を含めた野党共闘側は与党との差別化に失敗し、有権者に対してわかりやすいアピールができなかったのが敗北の原因であると思います。

それとやはり、共産党と組んだことはあまりいい選択ではなかったと思います。共産主義というものがどういうものか、ここではあまり触れませんが、やはりアレルギーを持っている人は多いと思います。私の周りにもそういう人は少なくありません。もちろん、過去の共産主義者たちがやってきたことと同じことを、今の日本共産党が同じようにするとは思いません。特に末端の共産党員の人たちというのは、純粋に平和を願い活動してる人は多いとは思います。しかし、どんなに優れた政策を訴えたとしても、それを実行する人たちの思想信条が信じられなければ、政権をたくそうとは思いません。だからこそ、今の共産党は多くの支持を得られていないのだと思いますし、そういう勢力と手を結んだところで立憲民主党の票は伸びなかったのでしょう。

本当に世論調査は信用できない

少し話は変わりますが、今回は、というか今回もといったほうがいいような気がしますが、世論調査は本当に信用できないと改めて思いました。選挙前では自民党は40程度減らすとか、単独で過半数も危ないのではないかとか言うところもあったぐらいです。それがどうなったかというと、自民党が15議席減らしただけで、公明党に至っては議席を伸ばしています。さらに野党共闘は議席を伸ばすどころが大きく減少。日本維新の会は議席を伸ばすのではないかとは言われていましたが、ここまで伸ばすとは流石に殆どの人は思っていなかったと思います。このように細部にわたり、ほとんどあたっていないのです。これは今回に限ったことではなく、さらに日本に限ったことではありません。アメリカや欧州など、民主主義国家で行われる選挙の前には必ず世論調査でどんなふうになりそうだとかメディアでいわれますが、本当に当たりません。ですから、選挙前、自民が大きく減らしそうだとか言われていたのを半信半疑で聞いていましたが、やはりそうでした。こういういい加減な世論調査というのは、もうやめたほうがいいのではないでしょうか。こんないい加減なことをされると、選挙結果に悪い影響が出てきそうで、とても心配になります。メディアの方にはもう一度、世論調査のあり方を真剣に考えてほしいと感じました。

これから岸田政権はどうなるのか

とりあえず、これだけの議席を与党に託したのですから、岸田政権は信任を得たと言っていいでしょう。これから政権公約に掲げた政策を実行していくことになると思いますが、果たしてどのようになるのか。当然100%、公約が実行されることはないでしょう。少数と言っても野党の意見をまったく無視していいということはありませんし、与党内でも意見の違いはたくさんあるからです。一個人として、そして投資家としてはとにかく経済を安定的に成長させる政策を行ってほしいものです。いい加減、成長の全くしない国から他国並みに成長できる国に変わるべきです。そういう意味では若干、岸田政権には不安があります。岸田政権はとにかく分配と言ってきました。分配の前には成長だとも総理は言っていたので大丈夫だとは思いますが心配です。特に改革についてはあまり触れてこなかったところは今後どうなるのか。甘利幹事長も辞任してしまったので、経済政策もきちんと実行できるのか。甘利幹事長はTPP交渉を担当していたり、経済安全保障政策にも詳しい方だったので少し期待はしていました。しかし、金銭問題の影響があったのでしょう。小選挙区で落選してしまったために幹事長を辞任してしまいました。国民の選択ですし、仕方ありませんが残念です。この影響でまた官僚に主導権を握られてしまうのではないか。心配事は尽きませんが、しかたがありません。少なくともこの政権をたった今、信任したのは私達なのですから。これから日本がきちんと成長して、国民が幸せを感じられるような国にしてもらいたいです。そして私もしっかり政治に関心を持ち、自分のできることをしっかりやっていこうと思っています。