平然と公約を破り、金融資産に課税しようとする日本維新の会

金融所得課税についてこのブログでも以前批判しました。非常に問題のある議論で、とても容認できないと私は言いました。なんとかこの動きを阻止すべく、与党内はもちろん、特に野党には頑張って欲しいと思っています。しかし、その期待を大きく裏切るようなことが年始に起こっていたようです。なんと日本維新の会の足立康史議員が金融資産課税について言及したのです。与党が金融所得に課税しようとしているときに野党からは金融資産に課税しようという動きが出てくるとは何なんでしょうか。もう息を吸っているだけで税金を取られそうな勢いです。本当に腹の立つニュースです。そういうわけで今日はこの件について見ていきたいと思います。

発言について

問題の発言は今年の1月4日の足立議員のツイッターで発信されました。

引用:足立議員のツイッターより

前回の衆議院選挙のとき、日本維新の会は金融資産課税について公約には載せていませんでした。選挙前はそベーシックインカムなどの発言に合わせてそのようなことを言っていましたから、当然選挙のときにはどうなっているんだと有権者からの質問は多くあったそうです。しかし、そのたびに金融資産課税は盛り込んでいないと言うような発言をしていたそうです。

公約とは票集めの道具に過ぎないらしい

しかし残念ながら日本維新の会は金融資産課税について強化する方針は変えないようです。先程のツイッターにもあるように選挙中に公約に載せなかったのはあくまで運動論としてであり、政策論としては別物だというのです。つまり、選挙運動中の話と実際の政策は別だと言っています。こんなことがまかり通ってしまっては公約というものがなんの意味もなさなくなってしまいます。選挙さえ通ってしまえばあとは何をしようが有権者のことなど関係ないと言わんばかりです。正直この発言については本当に腹が立つ思いです。国会議員自ら国民との約束などどうでもいいと言っているようなものです。こんなことが許されるはずがありません。前回の選挙では日本維新の会は大きく躍進しました。それは日本維新の会がこれまでの自民党政治の負の部分を変えてくれると期待したからでしょう。にもかかわらずこんなにも選挙公約を軽んじるような発言をしているようでは日本維新の会も自民党と何ら変わらないのではないかと思います。

公約が「実行できなかった」と「嘘だった」では次元の違う話

公約というのは国民との約束です。その言葉を信じて国民は投票するのです。それを簡単に破っていいわけがありません。もちろん時間が経てば選挙のときに約束したことができなくなることもあるでしょう。特に外交などは日本だけでどうにかなるものではないですから、公約を100%実行するというのはまず無理です。それに政権与党と野党ではその重さが違うということもあるでしょう。与党であれば当然その公約がきちんと実行できたのかを評価されますから、安易な気持ちで公約を作ることはできないでしょう。それに比べて野党の方は多少大げさなことを言っても許される傾向があります。どんな公約を言ったとしても政権を担えなければなんの意味もありませんから気楽といえば気楽です。だからこそ野党の公約というのは有権者もそこまでは真剣に見ていないような気はします。とはいえここまで公然と公約破りをされると流石に信用はなくなります。公約を実行しなかったとかできなかったではなく、嘘だったというのは次元の違う話です。野党であろうとそれは信用を大きく失墜する行為だと思います。もちろん足立議員にも言い分はあるのでしょうが、こういうことをやっていては日本維新の会に政権を任せようという動きは大きくならないと思います。

そもそも金融資産に課税などできるのか

金融資産課税というのは流石にやりすぎでしょう。そもそもただお金を持っているだけで税金がかかるというのはひどい話です。それに金融資産の正確な把握などはできるのでしょうか。金融資産課税が導入されれば多くの人はもう金融機関にお金は預けなくなるでしょう。わざわざ税金を取られるとわかっている銀行口座へ資産を預けるという愚か者はそういないはずです。であれば金融資産を正確に把握することができず、課税額を計算できなくなるということになります。まさか日本中の家一軒一軒に調査に入り、天井裏から床下まで調べ上げるなんてことは不可能です。なので課税するハードルはとても高くなり、実行性は乏しいような気がします。マイナンバーなどを活用したり、法整備をすれば実行可能なのでしょうが今の日本ではなかなか難しいのではないかと思います。

まとめ

今日は日本維新の会の足立議員の発言を紹介しました。日本維新の会にはとても期待をしていたので本当にがっかりしました。ただでさえ金融所得課税が実施されそうなときに資産にも課税しろという動きがまさか野党から出てくるとは思いませんでした。しかもここまであからさまな公約破りをされるとなるともう日本維新の会の言っていることは信用できません。少なくとも私が次の参議院選挙で日本維新の会に投票することはないと思います。それほど衝撃的な発言であり、期待を裏切るものでした。おそらく今回日本維新の会に投票した人の中にもがっかりした人は多いのではないかと思います。本当に与党も野党も国民を失望させるようなことばかりするので疲れます。