著名投資家の寄付による学生寮建設が大きな騒動となっているようです。

学生が勉学に励む環境を整えるということはとても重要なことです。将来、この国を背負っていく優秀な人間を育てることは、国家の利益になりますし、失敗すれば大きな損失です。最近は日本でも教育無償化など、教育環境をもっと充実させようという動きが出てきています。まだまだ十分とは言えませんが、これからもその流れを継続していってほしいと思っています。アメリカでも教育に対する投資は積極的に行われており、現在、USサンタバーバラにも巨大な学生寮が建設されようとしています。これは投資家のチャーリー・マンガー氏の2億ドルもの寄付によって行われるものです。チャーリー・マンガーはあのウォーレン・バッフェットが会長を務めるバークシャーハサウェイの副会長として知られています。大変すばらしいことだと思いますが、最近、このプロジェクトに参加していた一人の関係者がが反対を表明し、そして辞任してしまいました。いったい何が起きたのか、そしてその問題について考えてみたいと思います。

ことの経緯

カリフォルニア大学サンタバーバラ校のマンガーホールの外観図

引用:Architect Resigns in Protest over UCSB Mega-Dorm

USサンタバーバラではマンガー氏の寄付によって巨大な学生寮が建設されることになりました。それにはマンガー氏の構想がふんだんに取り入れられています。それは学生が勉学を励むうえで最も最適な環境を維持しつつ、コスト面を抑え、大学や学生の負担を極力抑えようというものでした。この計画にマンガー氏は大変満足し、計画は順調に進むと思われましたが、ある建築家が反対を表明しました。それは

「大規模でほとんど窓のない寮の計画を建築家、親、そして人間としての私の観点からは支持できない。」

というものでした。

一つのブロックに8部屋となる

引用:Architect Resigns in Protest over UCSB Mega-Dorm

確かに建築予定の学生寮を見てみると、個室は非常に小さくできていて、ベットと机以外、ほとんどスペースがないような作りになっています。それが一つのフロアにびっしりと敷き詰められていて、ぱっと見た感じは監獄のような感じがします。ほとんどの部屋には窓がなく、まさに牢屋といった感じです。しかも、4500人収容な建物に対して出入り口が二つしかないということで、朝や夕方には相当な混雑が予想されます。たしかに、この建物を見ると、人が住むにはとても適したものとは思えません。建築家が反対したことも納得できます。これだけ聞くと建築家の言い分が正しそうですが、マンガー氏は反論として、

  • 「同じような寮はミシガン大学にもあり、学生には問題なく受け入れられている」
  • 「これはトレードオフの関係で、光など居住性を考えると住める人は少なくなる」
各フロアに8人用ブロックを詰め込んでいる。

引用:Architect Resigns in Protest over UCSB Mega-Dorm

と述べています。マンガー氏も人が住むためのものとして最も優れているとは思っていないのでしょう。しかし、コストなど他の要素を考えれば、こうすることが最もバランスがとれているといいたいのです。

入りたくはないが人それぞれ

個人的にはこの図面を見た感じでは、とても住みたいとは思いませんでした。窓が全くなく、ここまで狭い部屋というのは、インドア派の私でもさすがに精神的に参ってしまいそうです。しかし、実際に使っている学生からは全く問題視されていないようですし、健康被害や学習成績に問題がなければいいのではないかと思います。狭い環境なので、部屋に籠らず外に出やすくなり、そこで学生間での交流が促進されるという効果もあるのでしょう。マンガー氏もそのような狙いでこのような構造にしたようです。いろいろな意見はあるとは思いますが、そこは個人の自由で、入りたい人は入居すればいいし、いやだという人は他に宿を借りればいいだけです。学生寮の運営コストや学費の問題も無視していいわけではありませんし、どちらも満たす案として今回の計画が実行されたわけです。万人向けではないかもしれないけれど、少しでも大学に通える学生が増え、より良い教育を受ける環境が広がっていくのであればいいのではないかと思います。まあ、実際入寮してしまえば狭い環境にもすぐに慣れていくでしょう。人間は環境適応能力が意外と高いものですから。

まとめ

今回はアメリカで起きた学生寮に関する問題を取り上げました。教育環境の整備は非常に重要な問題です。すべてにおいて最高の環境を整えられればそれに越したことはありませんが、マンガー氏の言う通り、コストとの兼ね合いなどなかなか思い通りにはいかないものです。日本でも多くの学生が、勉強のために多額の借金をして勉強をしているのが現状です。教育の理想と現実をどうやってバランスをとっていくのか。本当に難しい問題だとは思いますが、見てみないふりにはいきません。ここはしっかりと国が積極的に教育に投資していくべきだと思います。優秀な人間を育てるというのは国家の義務だと思いますし、間違いなく利益になります。ぜひとも積極的に教育に投資してほしいものです。そして我々国民も国任せにせず、教育環境を充実させられるように一層の努力が必要でしょう。小さなことでも一億人の人間がやればとても大きな力になります。

The Financial Pointer

バークシャー・ハザウェイ チャーリー・マンガー氏の寄付で建設予定の大学寮について、その設計を巡りプロジェクト関係者が抗議…