戦争と米国株式の関係について過去の事例をもとに考えてみる

戦争とマーケットの関係についてはいろいろといわれることがあります。「遠くの戦争は買い」や「戦争は号砲とともに買え」など過去の経験則により様々なことわざとして表現されます。このように過去を調べることにより、未来をある程度予想することは可能です。なのでロシアによるウクライナ侵攻の影響が心配な方はぜひ過去の状況を調べてみるとより将来について何をすればいいのかが明確になるのではないかと思います。そのための材料としてマネクリにとても良い記事が載っていたので今日はそれをもとに戦争と米国株式の関係についてみていきたいと思います。

米国株長期投資家のための、過去約40年の間で起きた戦争から学ぶ教訓 | 岡元兵八郎の米国株マスターへの道 | マネクリ マネックス証券のお金と投資のオウンドメディア

過去の事例ではいずれも戦争のあとは株価は上昇している

過去40年間の主な戦争と米国株式の関係を表したものが以下の図になります。

これらの図からわかるように、過去5回の戦争では、細かい違いはあるけれども結局は株価の下げは一時的であり、いずれは株は上昇していくということが分かります。まさに「遠くの戦争は買い」ということがいかに正しいかということがよくわかります。そういう意味では今回も一時的には株価は戦争によって下落していますが、いずれその影響は吸収され、株価は上昇していくのではないかと思われます。

必ずしも将来を約束するものではない

しかし、あくまでこれは戦争のことのみに注目して考えたものであり、必ず今回も同じような結果となるという保証はありません。そこはきちんと理解しておくべきでしょう。その不安定要素というとやはり世界的なインフレが一番大きなものとなるのではないかと思います。ロシアとウクライナの戦争当事国が世界経済に占める重要性というのははっきり言ってほとんどないといっていいのではないかと思います。米国などの先進国や中国が当事国となっていたら世界経済に与える影響というのは甚大なものとなるでしょうが、ロシアとウクライナの戦争であれば直接株式マーケットに与える影響というのは少ないものと思われます。しかし、現在最も重要な問題であるインフレを考えるとき、この二つの国の戦争というのはとても無視できるものではなくなってきます。ウクライナは欧州でも有数の穀倉地帯を抱えている食糧輸出国です。ロシアも小麦などの食糧輸出国であり、そして石油や天然ガスなどのエネルギー輸出大国でもあるのです。そういう意味でこの2つの国の戦争が長期化すれば資源や商品価格に大きな影響を与えることになるでしょう。そうなるとさらにインフレが加速することとなり、世界経済に大きな影響を与えることが考えられるのです。そういう意味では「遠くの戦争は買い」といってもあまり楽観視はせず、特に商品価格などの動向には注意が必要でしょう。

まとめ

今日は戦争と米国株式の関係について考えてきました。過去の例を見ても「遠くの戦争は買い」と言うことわざは正しく、今回の戦争についてもそれ自体はあまり気にする必要はないのかなと思います。短期的には下落すると思いますが、長期的には十分回復すると思われるので、下がったところで買い増すくらいの気持ちでいいのかなと思います。しかし、現在のインフレという状況を考えるとあまり楽観できないような気もします。もちろん今回のことで株価がもう二度と上昇しなくなるとは思いませんが、回復にはかなりの時間がかかる可能性も十分あり得るのだろうと思います。そのくらい今のインフレというのは強烈であり、非常にかじ取りの難しい問題なのです。そこにさらに戦争のような問題が合わさってしまえば状況は一層困難になっているといわざるを得ないでしょう。そういう意味では、過去の事例よりは株価の回復に時間がかかるのかもしれません。いずれにせよ、長期投資家にとっては少々の株価下落というのは大した問題にはなりません。現在の自由資本主義が破綻しないと思うのであれば淡々と株式市場に投資し続ければいいのではないかと思います。