世界のインデックスからロシアが排除される

ロシアによるウクライナ侵攻の影響はマーケットにも大きな影響を与えています。先日、世界的なインデックス指数算出会社が、すべての指数からロシア株を排除するというニュースを発表しました。これにより投資の世界にも直接的な影響が出始めているというところでしょうか。元々ロシアは世界のマーケットの中ではあまり大きなシェアを占めていないのでそれほどインパクトがあるとは思えませんが、非常に重要なニュースであることは間違いありません。そういうわけで今日はこのニュースについてみていきたいと思います。

世界のインデックスからロシアが排除される

3月2日、ロイターによると株価指数を算出するFTSEラッセルとMSCIは、全ての指数からロシア株を除外すると発表しました。

Reuters Japan

[2日 ロイター] - 株価指数を算出するFTSEラッセルとMSCIは2日、全ての指数からロシア株を除外すると発表した。…

これはウクライナ侵攻のため、欧米各国がロシアに対して経済制裁を科すこととなりました。それによりロシアでは資本規制が行われ、市場にアクセスできない状態となっています。そのため多くの市場関係者からロシア株をインデックスから排除すべきだという意見が多く上がったためだといわれています。よってロシア市場はインデックスから排除されることとなったのです。

実際の影響はそれほどでもない

そのためロシア株を組み込んでいた投資信託やETFに影響が出ることが懸念されています。しかし、実際にはそれほど大きな影響はないのであろうというのが大勢です。理由としては単純で、現在のロシアの株式市場が持つシェアというのは非常に微々たるものであり、それがなくなったところでたいした影響はないということです。具体的に言うとMSCIの新興国株指数ではロシアのウェートは3.24%しかなく、世界株指数に至っては30bpしかありません。なのでそれほど大きな影響はないでしょう。

運用会社もロシアを排除し始める

今回のニュースを受けて、日本の個人投資家にも人気のeMAXISシリーズを展開する三菱UFJ国際投信株式会社も対応を発表しています。それによると自社で運用している商品でもロシア株については売却できるものは売却しているということです。そして当然ながら今後はロシア株を購入するということはなくなるでしょう。このような動きが投資市場でも相次いで起こっており、ロシア排除の動きは加速しています。

https://www.am.mufg.jp/text/oshirase_220308.pdf

しばらくはロシアに投資することはできない

今回の決定についてはウクライナ侵攻のニュースが報じられてから何となくは予想できていたものです。SWIFTからの排除をはじめとした経済制裁の動きは今後も続いていくでしょう。今回の戦争がどのような結果になろうともロシアに対する制裁の動きというのはしばらくは続くとみられます。なのでロシアに投資をするということはもうできないと思っておいたほうがいいでしょう。

まとめ

今回はロシアがインデックスから排除されたニュースについてみてきました。こういう可能性についてはもちろん知ってはいましたが、実際起こるということはほとんど考えていませんでした。そういう意味では本当に未来には何があるのかわからないものだなと改めて感じさせられるニュースです。今回はロシアが対象だったのでそれほど大きな影響はないと思いますが、これが例えば日本や欧米の先進国や中国のような大きなマーケットが対象となった場合はとてつもなく巨大な影響が出ることでしょう。そういう意味では本当に恐ろしいニュースです。特に中国に関して言えば、その可能性というのはロシアほどではないにしろ、最近の国際政治の状況を考えれば可能性を否定できないのではないかと思います。もしそのようなことが起きた場合の影響というのは本当に想像すらできないといった状況です。投資家としては何としてもそのような事態は避けてほしいと心から思いました。