ダウの犬という投資方法をご存じでしょうか?非常にシンプルな投資方法なのですが、NYダウのパフォーマンスを上回る成績を上げたことにより有名になったものです。私も聞いたことはあったんですが、当時はあまり興味がなく、詳しくは知りませんでした。しかし、最近楽天証券の「トウシル」に記事が載っていて、読んでみるとなかなか面白かったです。そういうわけで今日はダウの犬についてみていきます。
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴…
ダウの犬とは

- 【1】NYダウ(ダウ工業株30種平均)採用銘柄(30銘柄)を配当利回りの高い順に並べ、上位10銘柄を選びます。その10銘柄に等金額投資します。
- 【2】1年後に、もう一度NYダウ採用の配当利回り上位10社をスクリーニングします。1年前に投資した銘柄で、上位10社から外れた銘柄を売却し、代わりに新規に上位10社に入った銘柄を買います。
- 【3】1年ごとに、上記の方法でリバランス(銘柄入れ替え)を続けます。
ダウの犬は非常にシンプルな投資方法です。これだけ見れば本当に簡単だなと思いますが、米国に上場している株の中からたった30銘柄だけを選択対象としているのはどうなのかとは思います。今話題のGAFAMからはアップルとマイクロソフトしか採用されていませんし、テスラもありません。これを厳格にやろうと思う人はなかなか少ないのではないでしょうか。以前はNYダウを上回るパフォーマンスを上げられたのかもしれませんが、今やるとおそらくは勝てないのではないかと個人的には思います。しかし、NYダウに採用されるような銘柄は基本的には安定した大企業ですから、検討する価値はあると思います。個人的にはさすがに的を絞りすぎてはいないかとは思いますが。今でしたらNYダウではなく、ナスダック100の方がいいパフォーマンスを上げるような気がします。
実際にやってみる

それでは実際にダウの犬を作ってみたいと思います。まず、11月18日現在のNYダウ構成銘柄でダウの犬作成すると以下のようになります。
- インターナショナル・ビジネス・マシーンズ 5.48
- ベライゾン・コミュニケーションズ 4.72
- ダウ 4.67
- シェブロン 4.42
- ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス 3.8
- スリー・エム 3.21
- アムジェン 3.09
- メルク 2.96
- コカ・コーラ 2.88
- インテル 2.62
これを見ての印象はどうでしょうか?配当利回りはおそらくは3%後半くらいにはなるのかなと思います。個人的には大丈夫なのかなと不安になる気持ちもありますが、どれも非常に大きな有名企業ばかりなので、少なくとも大損をすることはないと思います。高い配当を維持しつつ、安定的な株価を目指すのであれば悪くはないのかもしれません。配当利回りが高い銘柄は問題を抱えている場合も多く、それだけで投資すると痛い目を見ることがあります。しかし、NYダウ採用銘柄であれば大事故を起こす可能性は低いでしょう。
ナスダック100でやってみる

少し気になったのでナスダック100でも同じようにやってみました。
- クラフト・ハインツ 4.25
- ギリアド・サイエンシズ 4.05
- ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス 3.8
- アメリカン・エレクトリック・パワー 3.43
- アムジェン 3.09
- エクセロン 2.79
- エクセル・エナジー 2.64
- インテル 2.62
- シスコ・システムズ 2.53
- コストコ・ホールセール 2.48
正直いまいちという感じがします。配当利回りもおそらくは3%前半といった感じでしょうか。元々ナスダックは安定企業よりも成長企業が多い印象だあります。そういう企業は配当をあまり出しませんから、配当によって銘柄を選別するダウの犬はあまりなじまないのかもしれません。もちろん悪いということはありませんが、ナスダック100でダウの犬をやるのであれば個別株やQQQなどのETFへの投資をした方がいいような気がします。
日本株でもやってみる

参考にした「トウシル」のサイトではこちらがメインでした。ダウの犬を日本株に当てはめて行うというものです。せっかくなので日本株でも自分で作ってみたいと思います。採用する指標はTOPIXコア30で行います。
- 武田 5.55%
- 三井住友FG 5.41%
- みずほFG 5.36%
- 三菱UFJ 4.43%
- 三菱商 4.11%
- 三井物 3.71%
- KDDI 3.66%
- 東京海上 3.64%
- NTT 3.44%
- ホンダ 3.43%
なんか一番安定感があるような気がしますが、そう感じるのは私だけでしょうか。この辺は日本人だからだろうなとは思いますが、おそらく配当利回りは日本の方がいいような気はします。今は日本株は非常に割安になってきていますし、企業業績も悪くありません。そういう意味では結構いい投資対象ではないかと思います。しかし、日本の方はメガバンクがすべて入るなど、業種の偏りがあるような気がします。米国の方が分散はうまくできているので、その点はマイナスです。
まとめ
きょうはダウの犬についてみていきました。投資の世界にはいろいろな方法で投資している人がいます。必ずこうしなければいけないとか、絶対にこれはおかしいということは基本的にはないのではないかと個人的には思っています。どんな方法にも学ぶ点はありますし、いいところはどんどん取り入れていくべきだと思います。ダウの犬は非常にシンプルな投資方法なので、とてもストレスなく投資をすることができる点が一番いいところだと思います。個人的には一番シンプルで確実な投資方法というのはインデックスに対してコツコツと投資していく方法だと思います。しかし、それだと資産は築けますが、配当はあまり得られません。年金生活者や、私のような心配性な人間には配当がある程度あった方がいいので、そういう人にはダウの犬は非常に参考になる投資方法だと思います。もし、投資方法に悩んでいる人は参考にしてみるのも悪くはないでしょう。