自民党総裁線について思うこと

自民党総裁選のニュースが熱いです。

最終的には4名の立候補があり、これから総裁が決まる最後の最後まで熱い選挙戦が繰り広げられていきます。

個人的には今回の選挙はいつもの派閥ごとにがっちり固まって行動するという感じが若干薄い感じがしています。

派閥内でも支持する候補が違ったり、みんな結構好き勝手言いたいことを言っているなという印象です。

そういう意味では自民党も少しは変わったのかな?なんて思いますし、もしそうであればとてもいい傾向だと思います。

どんどん活発な議論をして、より良い日本にすべくいい総裁選を行ってほしいものです。

そんなわけで、今のところ出ている各候補の政策について投資家として思うところを少し述べてみたいと思います。

比較対象

今回は立候補者4名の政策を比較したいと思います。

といっても、今は選挙戦の真っ最中ということもあって、日々刻々と新しい情報が出てきます。

そういうものすべて調べていては大変なので今回は自民党のホームページにある総裁選の特設サイトの情報のみで評価していきます。

その中でも「初見」というところに各候補の政策がまとめられているのでこちらを見ていきたいと思います。評価するのは9月24日時点のものです。

キャッチフレーズ

とりあえず、各候補のトップにあるキャッチフレーズを見てみます。

  • 河野氏「日本を前に進める。」
  • 岸田氏「声をかたちに。信頼ある政治。」
  • 高市氏「日本を守る。未来を拓く。」
  • 野田氏「だれもが「わかる政治」を」

キャッチフレーズだけでは判断できませんが、それぞれの候補の色がよくでているのではないでしょうか。

各候補がいろいろな場面で訴えていることを一言でうまくまとめていると思います。

個人的な感想を言えば河野氏のは悪くはないですが、正直ちょっと抽象的すぎるかなという印象です。

岸田氏と野田氏は国民に寄り添うという感じでしょうか。

高市氏は国を引っ張っていくという感じがします。

各候補の所見を見た第一印象

私が最初に見て印象が良かったのは岸田氏と高市氏です。

理由は簡単で、書面の大部分を政策で埋められているから。

野田氏も半分ほど、河野氏は半分以上がが自分自身の理念や信条などを語っていて、個人的にはもっと政策を訴えてほしかった。

急遽出てきた感のある野田氏はともかく、準備期間も十分にあった河野氏はもう少し具体的なものを出してほしかったと思います。

よく「河野氏は具体的な政策を語らない」と選挙戦が始まってから聞くことが多かったですが、この所見を見る限りそれは正しいと思いました。

各候補の政策の中身について

それでは具体的に見ていきます。

コロナ対策

コロナ禍ということもあり、どの候補もコロナ対策についてはきちんと述べられていました。

多少の違いはあるが、どの候補が勝っても大きな差はないのではないかという印象です。お互いに大きく矛盾していることを主張しているわけでもないので、総裁選後に互いの主張を調整してうまくやっていける感じがするし、そうなるだろうと思います。そういう意味ではコロナ対策は候補者選択のきっかけにはなりづらいところではないでしょうか。

外交・安全保障政策

外交・安全保障についても各候補が述べています。

どの候補も中国を意識した安全保障政策が述べられていて、ここもそれぞれの候補の向いている方向が違うという印象はありません。

特徴としては岸田氏は唯一北朝鮮のことを述べています。ミサイルや拉致など記載されていて、ここは評価できるところでしょう。こういうことは高市氏のほうがしっかり書いていそうですがこちらには記載がないので意外です。もちろん、記載がないからと言って関心がないということはないだろけど、党員の印象は違ってくるでしょう。

その高市氏は一番外交・安全保障に関係することが具体的に書かれていて、流石だと思いました。特に経済や産業と絡めて書かれており、経済安全保障の意識が非常に強い印象がありました。

野田氏は食料安全保障とアフガニスタンの邦人救出の記載がありました。こちらも非常に重要な問題であり、他の候補との違いが出ていていいのではないでしょうか。

河野氏はここについてもあまり具体的なことが書かれておらず、物足りなさは否めません。

その他

その他の政策について見てみます。

岸田氏は分配と地方というキーワードを強調しているような印象です。所得再分配と、地方に重点を置いて政策を実行していく強い意志を感じます。それと、メディアでも大きく報じられたが、自民党役員任期についてもしっかりと書かれていた。この政策も今回の選挙における岸田氏の大きなアピールポイントになるでしょう。

高市氏はとにかく経済、安全保障に特化した政策を全面に打ち出している。サイバーやDXなどいま話題の政策も取り入れており、一番具体的に政策を打ち出している印象です。それと、一番量的緩和に積極的なのも高市氏です。2%の物価上昇までは基礎的財政収支の規律を凍結すると書いてあります。投資家としては一番望んでいた政策の一つです。他の候補は緩和をするのか規律を求めるのかについて具体的な記載はありません。

野田氏の特徴はこどもまんなか庁の設置と個性、多様性の重視、いわいる女性やLGBTの人たちを意識した政策でしょう。いま世界的に問題になっている政策ですが、この分野は野田氏が一番強く訴えています。特に唯一選択的夫婦別姓についてもしっかり記載されていて、違いがよく出ています。

河野氏については正直本当に特徴がない。もちろん全くだめというわけではないが、一番具体性に乏しく、河野氏ならではの主張というのも見て取れません。

投資家の視点での評価

正直、個人投資家としては具体的な経済政策があまりない印象で、なかなか評価しづらい。その中でも高市氏は量的緩和を続けるとか経済安全保障を強調しているなど評価できる点が多いかなと思う。ただ、本当に実行できるのかと疑問に思うところもあるが、そこまで無理なことを言っている感じはしなかった。

岸田氏の所得再分配については格差が広がってきている現在において支持を集めそうな気はするが、あまり強くやりすぎると経済界からの反発が強くなるのではないかと思う。その辺の加減をうまくやらないと結果的に経済が停滞してしまう恐れもあるので注意が必要だろう。あと、一番気になるのは規制緩和や構造改革による新自由主義の成果をみとめつつその弊害を述べ、だからこそ分配が必要なんだと言っているようにみえた。とすると、今度は規制を強化したり改革はやらないということになるのかと少し不安になる。私の勘違いであればいいが、投資家としては非常に気になるところだ。それと、令和版所得倍増を目指すとも言っています。さすがに今から所得倍増は厳しいような気がしますが具体的な策はあるのでしょうか?あるのであればぜひ総裁になっていただきたいですが、もし何の考えもなく言っているのであれば確実に失望されてしまうと思うので、そこはぜひ確認したいところです。

野田氏と河野氏は経済政策についてはほぼ記述がない。正直投資家としてはがっかりしたところです。

まとめ

簡単ですが自民党のホームページの特設サイトをもとに投資家の立場から簡単に評価してみました。個人投資家としてはもう少し経済政策を前面に出した選挙戦を期待したいですが、残念ながらそうはなりそうもありません。しかし、そうはいっても総裁を選ばないというわけにはいかないので、一応個人的な評価をしておこうと思います。

個人的には高市氏が一番具体的かつ現実的な政策を訴えていて一番印象がいいです。量的緩和も続けるといってますし、安全保障も絡めた経済政策も打ち出しているので、経済的にはプラスなのかなと思います。

岸田氏も悪くはないですが、若干規制強化になるのではないかという不安と、所得倍増など計画の実現性について疑問があるので、その辺についての確認をぜひしたいところです。

野田氏は非常に独自性があっていいと思いますが、こちらも若干具体性が欠ける印象です。それと、選択的夫婦別姓やLGBTの問題など、非常にデリケートな問題について政策を実行していくとなっていますが、きちんと党内をまとめることができるのでしょうか?この辺は今も自民党内で非常に議論が分かれている印象なのでうまく行くとは個人的にはあまり思えません。もちろん、きちんと結果を出せるのであれば何も問題はないので、総裁になったときにはぜひ頑張ってもらいたいものです。

河野氏については本当に具体性に乏しく、あまり参考にならなかったなという印象です。現時点で一番支持率がいいということもあり、守りに入っているのかもしれませんが、もう少し具体的な政策を出してほしいところです。これでは正直判断できません。

以上が現時点での個人的な評価となります。この評価に賛成の方、反対の方色々いると思います。とくに今回は自民党の特設サイトの情報のみを扱っていますので、足りない部分も多いかと思います。実際私がメディア等で得た情報も今回の評価に含んでいませんので、若干違和感があるなと書いている本人が思っているところです。ただ、私は政治評論家ではありませんし、多くの情報ソースを持っているわけではありませんので、そこまで正確な評価ができるわけでもありません。なので、一国民として、誰もが平等に入手できる情報をもとに評価して見たらどうなるだろうかと思ってやってみたという感じです。一個人の意見として参考にしていただければと思います。とにかく実質日本のトップを決める選挙ですのでみんなでいろんな意見を出し合って活発な議論をしていきたいところです。その結果として今後に日本がより良いものになるよう願いつつ、今日は終わりにしたいと思います。