ウクライナ侵攻の終結のカギはやはり中国が握っている

ロシアによるウクライナ侵攻はまだまだ終わる気配がありません。当初ロシア側は短期間でこの戦争を終結させる見込みのようでしたが、実現することはありませんでした。戦闘は依然続いており、停戦協議も難航しています。このままでは戦闘が長期化し、当事国はもちろん、世界経済にとっても非常に大きな影響を与えることでしょう。そういう意味でも今後の展開というのは非常に注目されるところです。そんな中Bloombergが今後の展開についていくつかのシナリオを発表していました。非常にわかりやすくまとめられているので、今日はそれをもとに今後の展開について考えてみたいと思います。

Bloombergが考える今後の6つのシナリオ

BloombergにコラムニストのAndreas Kluth氏による今後のシナリオというものが掲載されました。Kluth氏は今後、6つの展開が考えられるとみているようです。

  • ウクライナ勝利 世界にとって一番望ましいがまず起こりえない
  • ロシア恐怖政治 通常兵器による攻撃をエスカレートさせ、民間人を含めた大量の犠牲者を出したうえでロシアがウクライナを支配する
  • アフガニスタン化 攻撃はエスカレートしないが敗北を避けるためだらだらと戦闘が続いていく
  • 核攻撃 限定的な核攻撃を行う。
  • ロシア革命 軍や一部改革派によるクーデターが発生し、プーチン大統領は政権の座を追われ、戦争は終了する
  • 中国の介入 中国が事態に介入することにより事態は収束に向かう

引用:【コラム】プーチン氏の戦争が迎える結末、6つのシナリオ-クルス より

善戦はしているが、やはりウクライナ勝利というのは考えづらい

個人的には単純にウクライナが勝利するというのは考えられないのではないかと思います。ロシアの方が圧倒的に戦力は上だとは思いますが、ウクライナだって弱いことはありません。しかも世界からウクライナ支援の動きは人・物・金銭等あらゆる面で充実してきています。なのでかなり善戦するとは思いますが、ロシアを完全に排除するということはできないでしょう。おそらくはこのまま続けばロシア側の攻撃はどんどんエスカレートしていき、最終的には核攻撃の可能性も十分にあり得ると思うからです。ニュースなどを見ていると、現在のプーチン大統領は核攻撃すらためらわないのではないかと思えます。そういう意味でもウクライナの単純な勝利というのはまずありえず、このまま戦闘が長期化するか、最終的にはロシアに支配されるかの2択となるのではないかと思います。

中国の介入による鎮静化の確率が一番高い

その未来を変える可能性というのはロシアで革命が起きるか、中国が介入してくるかということになりますが、やはり可能性としては中国の介入というのが高いと思います。今回のウクライナ侵攻ではロシア国内でも反対運動が多く起こっており、政権がきちんと国内を統制できていない感じが出ています。なのでうまくいけばクーデターも起こるかもしれませんが、やはりそれは難しいと思います。何よりもリスクが大きすぎて、実行できる人はなかなかいないでしょう。起きるとしても相当の時間が必要になると思います。なのでクーデターよりも中国の介入というのがやはり現実的です。中国は今回のウクライナ侵攻については、最初は基本的に中立的だったように思います。しかし、最近は事態の長期化は望まないようなニュアンスの発言も出てきており、現在の状況をあまり歓迎していないような雰囲気を出してきています。中国にとってはロシアは同盟国ではありませんが、重要な国であることは間違いありませんが、同じようにウクライナも重要な国なのです。特に食糧に関しては中国にとってウクライナはなくてはならない重要な存在です。そういう意味でも中国にとっては今回の事態が短期間で終息し、通常通りの世界に戻ることが重要なのでしょう。事態が長期化し、経済や国際政治、エネルギーや食料に対して大きな影響が出るということは何としても避けたいと思っているのかもしれません。いずれにせよ今後は中国が仲介に動く可能性が非常に高くなったと思います。ロシアにとってもウクライナにとっても中国は無視できる相手ではないので、中国が仲介するのであれば双方無視することはないと思います。なので事態が動く可能性は十分に考えられます。

なんでもいいから早期解決のみが株式市場にとってプラス

どのような結果になるにせよ、マーケットにとっては事態の長期化というのが一番望まれない展開です。どちらが勝つにしろ、短期間での終息というのが最も株式市場にとっては理想的な展開であることは間違いありません。なのでロシアの電撃作戦での短期決戦が失敗に終わってしまった現在、最も望まれるのは中国の介入による早期終結でしょう。そうなれば株式市場にとっては非常にプラスです。もし、中国があまり介入に積極的に動かなかったり、中国が介入してもなお戦闘が継続するような展開を見せれば、株式市場は大きく下げる可能性もあると思います。どのような展開になるのかはまだわかりませんが、いろいろな意味で早期の終結を望むところです。

まとめ

今日はロシアのウクライナ侵攻の今後の展開と株式市場について考えてみました。今後の展開は正直中国にかかっているという状態なのではないかと思います。もうロシアが短期間で勝利する展開はなくなったし、ウクライナがロシアを圧倒し、勝利するというのもまず無理でしょう。そうなれば最終的には核の使用まで十分起こりえると思いますし、それはだれも望まない展開です。なので今後は中国が早期に介入し、事態の収束に向かう可能性が一番高いと思います。むしろそうならなかった時が世界にとって最悪の展開となります。戦闘が長期化し、経済も停滞。中国の仲介も失敗に終わり、最後には核を使用して事態が集結するという展開だけは避けてほしいものです。