ロシア製のドローンに日本製のカメラが使われていた。

ロシアによるウクライナ侵攻はまだまだ終わる気配がありません。いつかは停戦に至るのだとは思いますが、近い将来にそれが決定するようには思えない状態です。そのためロシアに対する制裁はあらゆる面で強化されており、それは企業活動にも影響を与えています。エネルギー関連はもちろんですが、軍事技術に転用できそうなものについても規制と対象となっており、企業としても対策を練らなければならなくなっています。実際、ロシア製の軍事製品からも日本の製品が見つかったようで、先日ニュースになっていました。非常に面白かったので今日はそれを見ていきたいと思います。

ロシア製のドローンにキャノンのカメラが使われていた

先日ネットニュースサイトの「GIGAZINE」にウクライナによって分解されたロシア製のドローンに関する記事が掲載されました。それによると、なんとその偵察ドローンに日本のキャノン製のカメラが使われていたようです。

そしてこのドローンを分解して出てきたのが、キヤノンの「EOS Rebel T6i」というデジタル一眼レフカメラ。北米では「EOS Rebel T6i」という名称ですが、日本では「EOS Kiss X8i」というモデル名で販売されているカメラです。2015年4月に発売されたファミリーユース向けのデジタル一眼カメラで、EF-Sレンズマウントを採用したレンズ交換式の機種となっています。テクノロジーメディアのPetaPixelによると、アメリカでの小売価格は750ドル(約9万5000円)だったそうで、中古では300~400ドル(約3万8000~5万1000円)程度で販売されているとのこと。

引用:GIGAZINEより

このようなことはいつかは起こるのだろうと思っていましたが、やっぱりかという感じです。もちろん今回の件についてキャノン側が何か問題のある行動をとったのだとは思えません。今回使われたものは非常に一般的な製品であり、特別ロシアが入手困難なものであったわけではないでしょう。キャノンとしても通常の個人顧客向けに販売したものであり、このような想定はしていなかったのだろうと思います。この程度のことが問題になるようだとさすがに商売ができなくなりそうですし、特別お咎めがあるということは今のところ聞こえてきません。

完全に規制するのは困難

しかし、このような一般的な製品でさえ軍事用途として利用されるとなると、完全に規制するということはなかなか難しいのだろうなと感じます。これから規制するということもそうですが、戦争が起こる前だとしたらとても規制することなどできないでしょう。それこそWTOなどの貿易ルール違反でこちら側が制裁を科せられそうです。そう考えると今現在、戦争などを起こしていないところで何かしら悪意を持って行動しようとすれば結構なことができてしまうのでしょう。特に中国や北朝鮮のような国はそのような抜け穴をついていろいろと軍事転用をしていそうです。

何が軍事転用されるかわからない

今回のことでキャノンに対する影響というのはまずないでしょう。なので特別心配する必要はないと思います。このような軍事転用の話はよく聞いていましたが、実際にどのように行われるのかということがみられたのは非常に勉強になった気がします。どのような目的で作られようとも、その使い手の使い方次第でどのようにも変わってしまうということがよくわかる事例だと思います。そういう意味ではもしかしたら意外なものが軍事転用されている可能性もあるのだろうなと思いました。もしそうだとしたら、非常に脅威でありますし、規制や制裁の対象となる可能性も出てくるでしょう。そうなると意外な企業が規制や制裁の対象となり、株価にも影響を与えるということも出てくるかもしれません。精密機器など想像しやすいものだと警戒もするかもしれませんが、全く想像もつかないようなものだったら本当に困ります。そんなことは事前に調査しようもないですし、対策もしようがありません。そう考えるとある日突然持っている株が、このような軍事転用の気先生のために暴落するということもあるのかなと感じてしまいました。

まとめ

今日は軍事転用のニュースについて考えてみました。このような話は聞いてはいたのですが、実際にどのように行われているのかということが見ることができてとても良かったと思います。株価に対する影響というのも少し考えすぎのような気もしますが、警戒しておいて損はないでしょう。東芝機械のココム規制違反のようなあからさまなことがない限りは大丈夫だとは思いますが、やはり心配にはなります。そういう意味でも戦争は起こらないようにしてもらいたいものです。