世界的な株価暴落は本当に変異種が原因なのか

金曜日は日経平均は大幅に下落しました。休日明けの米国市場も暴落し、世界的な株価急落となっています。ニュースなどでは南アフリカで見つかった変異種によって経済活動が停滞するという思惑から株が売られたといっていますが本当でしょうか?もちろんその影響もあるでしょう。ワクチン接種も進み、ようやく経済活動が再開され始めた矢先に新たな変異種の出現ですから投資家が懸念するのもわかります。ただ、個人的にはなんかしっくりこない感じがしました。変異種は確かに脅威ですが、今までだって散々変異種は現れています。元々ウィルスの変異というのは結構頻繁に起こるようなので、私たちが知らないだけで今この時だって世界のどこかで変異種は誕生しているかもしれません。なので今更新しい変異種が出たくらいでこうも世界中で株が暴落するものなのかと気になっていました。そしてニュースをいろいろ見ているうちに気になるものを見つけたので、その話をしたいと思います。

世界的に株価が大暴落

先週末の金曜日、日経平均株価は前日より大きく下げ、747円安で取引を終えました。ニューヨーク市場もダウ平均株価が一時900ドルを超える下げを記録し、アジアやヨーロッパ市場でも軒並み株価が下落するなど世界的な株価下落となりました。

読売新聞オンライン

南アフリカで高い感染力を持つ可能性がある新型コロナウイルスの変異株が確認され、世界で株安が連鎖している。 26日の東京株…

ニュースでは南アフリカで感染力の高い変異種が確認されたために、先行き不透明感から株価が売られたと報道されました。去年より新型コロナウィルスの変異種についてはワクチンの有効性など様々な疑問が持たれています。今のところは変異種についても十分な効果は期待できるとなっていますが、今回の南アフリカの変異種についても効果があるかはまだ分かっていません。その影響によってはパンデミック収束が予定よりも大きく伸びる可能性も出てきています。南アフリカでは現在、ワクチン接種率はまだ20%台ということで、この変異種がワクチンに対してどうなのかということはまだまだ分からないのが現状です。しかし、こういう先行き不透明な状況というのは市場が最も嫌うことの一つではあります。

変異種によって株価が暴落したのか

よって株価が暴落したという報道がなされていますが、個人的には非常に納得のいかないものでした。確かに新たな変異種の登場は大きな不安要素であることは確かです。しかし、ここまで大きく暴落するとは個人的には思えません。去年、初めて変異種が確認され、インドなどで猛烈な勢いで感染を拡大していくようなものであれば暴落も納得はいきます。しかし、現在はまだ本当に変異種が原因かどうかも分かっていませんし、変異種が出た後にどのような状態になるかということも、すでに世界中で経験していることです。もちろん今回の変異種が今までの変異種と同じようになるかはわかりません。警戒は十分にしないといけないでしょう。しかし、一度経験していることがまた起こっただけで、まだ影響も確認されていないのにもかかわらず、こうも世界中で株が暴落するというのは何とも納得できない理由です。

個人的にはこっちが本命だと思う

何とも言えない気持ちになりながらこのニュースについて色々調べていたら、こっちの方が市場が大きく反応しそうだというニュースを見つけました。

JP

米連邦準備理事会(FRB)が24日に公表した11月2─3日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、高インフレが続けば…

24日にアメリカで公開されたFOMCの議事録なんですが、なんとそこにはFRBがインフレを非常に警戒し、早期利上げの可能性を示唆する内容だったのです。

米連邦準備理事会(FRB)が24日に公表した11月2─3日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、高インフレが続けば債券買い入れプログラムの縮小ペースを加速させ、より迅速に利上げを実施することに複数の政策当局者が前向きな姿勢を見せていたことが分かった。

今までFRBはインフレは一時的だといってきましたが、そうならない可能性についても議論されてきたようです。もちろんその話題が出ないわけではないでしょうが、内容を見るとインフレに対する警戒感がかなり高まっていたことがうかがえます。さらにテーパリングについても多くの参加者がペースを速めるよう指摘していたことも明らかになっています。これを見る限り、FRBは高インフレ状態が長く続く可能性について非常に警戒していることが分かります。そしてその可能性は低くはないとみているようです。よってテーパリングを加速させ、早期の利上げという選択肢もかなり議論したものと思われます。そしてその議事録が公開され、それを見た投資家はどうするでしょうか。当然予想よりも早い利上げに備える必要が出てきます。金利上昇は株価下落要因です。下がるとわかっているものを持ち続けるという選択肢をとる人はいないでしょう。なので議事録が公開された休日明けの取引で株が大量に売りに出されたのだと思います。

まとめ

今日は先週の株価暴落の原因について考えてみました。確かに南アフリカで発見された変異種は非常に脅威です。警戒は最大限に高めるべきでしょう。しかしそれは現実世界に生きる我々自身であって、株式市場がそこまで悲観になるようなニュースではないと個人的には思っています。もう2年近く戦ってきてワクチンも普及しているし、変異種の発生も何度も経験している現在、ここまでの暴落を説明できるものではないと思います。それよりも公開されたFOMCの議事録の内容の方が市場参加者に与えるインパクトははるかに大きかったのではないかと思います。FRBは常にインフレは一時的を言ってきました。しかし、裏では高インフレ状態の長期化をかなり警戒していて、対策を早めに行おうとしていたことは市場参加者に与える影響は小さくないはずです。識者の中には高インフレ状態が長く続くとしてFRBの意見に異論を唱える者もたくさんいましたが、FRB自身がその可能性を示すことは、与える影響が全く違います。仮に予想していたとしてもやはり影響はかなりあるでしょう。そういう意味でも今回の暴落の原因は南アフリカで発見された変異種ではなく、FRBのインフレに対する姿勢が判明したことによるショックの方が大きいのではないかと思います。もちろんこれはあくまで私個人の予測です。根拠はありますが内容を保証するものではありません。しかし、暴落の原因がどうであれ、FRBが早期利上げをする可能性がかなりあることは頭に入れておく必要はあると思います。