日銀は125円の円安は許容する可能性が高いような気がする

円安が急速に進んでいます。28日の段階で1ドル125円台に乗せるなど為替市場での円安が止まりません。これは日本と米国との金利差が今後も拡大していくことが予想されることがきっかけだと思われます。そのため投機筋からの円安圧力も強くなり、急激な円安になったのでしょう。さらに日銀による連続指値オペも実施され、ますます円安に拍車がかかっています。今後どのようになるのかわかりませんが、今のところ日銀はこれに対して積極的な対策をしているようには見えず、円安の流れは続くのではないかと思われます。今後はしばらく為替市場の動きが非常に注目されそうです。そういうわけで今日は為替市場の動きについてみていきたいと思います。

日米の金利差は拡大していく

3月のFOMCにてFRBは新型コロナウィルスパンデミックの影響により続けてきた金融緩和政策の転換を発表し、政策金利の上昇を発表しました。そして今後についてもインフレ抑制のために積極的に動いていくとの発言をしています。そのためこれからは米国の金利は上昇を続けていくことがほぼ確実視されています。対して日本円はというと、FOMC後に行われた金融政策決定会合にて黒田総裁はこれまで通り金融緩和政策を実行していくと発言しています。これにより今後は日米の金利差が徐々に拡大していくことが見込まれ、それに伴い為替市場でも円安ドル高の動きが出てきていました。

円安容認の日銀に対して投機筋からの攻撃が開始された?

徐々に進んできた円安の動きですが、おそらくは投機筋からの円売り攻勢も受けているのではないかと思います。今後、日米の金利差を考えると円安が進むことはほぼ確実です。であれば問題は日銀がどの程度円安を許容できるのかということが問題となります。今のところ日銀は特別大きな動きを見せていませんが、当然どこまでも円安を許容するということはないでしょう。黒田総裁は円安についてはトータルで見れば日本経済にとってプラスだと発言していますが、無制限で円安になっていいとは思っていないはずです。あくまで適正レートを考えるとまだまだ問題はないということでしょう。なので為替が行き過ぎたのであればそれなりの介入はしてくるのであろうと思います。

金利については0.25%を死守する模様

さらに28日には日銀は連続指値オペ制度を初めて実行しました。これは日銀が長期金利を低く抑えるために無制限に国債を買い入れる制度です。要は金利上昇を絶対に許さないぞということでしょう。そのため国債の長期金利は0.25%を超えて上昇することはありませんでした。つまり、日銀としてはこのラインが金利の上限として意識されており、ここは絶対に阻止するという姿勢を明確にしたものと思われます。しかし、金利が低いままで抑えられるということはますます日米の金利差が開くことが確実ということになります。であれば円安もさらに加速することになるのは明らかです。

1ドル125円を超えるのか

このように金利については0.25%を死守する強い意志を示した日銀ですが、為替についてはまだどうなるかわかりません。すでに前回の円安のピークだった1ドル125円の水準には達してしまいました。この水準が限界とみるのであれば何らかの介入をしてくるはずです。それが実際に介入をするのか、もしくはそれをにおわせるだけで実際には介入しないのかはわかりませんが、何らかの対応はしてくるでしょう。しかし、今のところは何か動くような、また動いた形跡というのはありません。そもそも連続指値オペをしたとたんに介入するというのもなんか変な話です。もしかしたら今回は125円というラインも許容し、さらなる円安も容認するかもしれません。それは日銀次第なので何とも言えませんが、それは今後わかってくることでしょう。

まとめ

今日は今後の為替市場について考えてきました。今のところ日銀は現在の為替水準については特別問題視していないように思います。もしかしたら、前回引いたラインの125円を突破する可能性もあり、何とも言えないというのが正直なところです。ただ、政策金利の差を考えると、しばらく円安は続くとみられますので125円という水準を維持するというのもなかなか厳しいのではないかと思います。いずれにせよ、しばらくは株式市場と合わせて為替市場の動きにも注意が必要な展開は続くでしょう。