ロシアへの経済制裁ですが、抜け穴が存在したようです。

ロシアに対する経済制裁は日々厳しさを増してきています。ロシア軍が撤退したキーウなどで民間人に対する虐殺行為など非人道的な行いが次々と明らかになったことで、さらに一段制裁のレベルが上がったように思います。そのためロシアはますます厳しい状況に置かれることになると思われますが、なかなか一筋縄ではいかないようです。そんなニュースを見つけたので今日はそれについてみていきたいと思います。

天然資源はロシアにとって重要な輸出品

ロシアは非常に天然資源の豊富な国です。なのでそれらを海外に輸出することにより多くの外貨を稼いでいます。その主要な輸出品の一つである石油ですが、当然ながら制裁の対象となっています。そのためロシア経済に大きな打撃を与えることになると考えられていますが、実は制裁逃れの手段が存在するというのです。

制裁の抜け穴

その手段というのはどのようなものなのか。ニュースサイトGIGAZINEには以下のような分が経済されていました。

ニュースサイト・Bloombergのコラムニストであるジャヴィア・ブラス氏によると、大手石油会社のシェルが、取引の基本条件を「売り手が販売し届ける商品がロシア連邦原産ではなく、ロシア連邦で積み込まれたりロシア連邦から輸送されたりしたものではないこと」とした上で、ロシア連邦原産の定義を「ロシア連邦で生産された場合、あるいは体積の50%以上がロシア連邦で生産された材料で構成されている場合」と変更したとのこと。

引用:GIGAZINEより

ロシア産の原油はいけませんよということはそうなんですが、ではロシア産の定義は何ですかということになります。そこで石油会社のシェルはロシア産の石油が半分以上は言っていたらロシア産で、それ以下では問題ないといっているのです。つまり、全体積のうち50%未満のロシア産とそれ以外の石油が50%以上のブレンドされた石油であれば問題ないというのです。確かにこの方法を使えばロシア産の石油でも合法的に取引することができるようになります。実際記事ではラトビア・ブレンドという名前で流通しており、ブレンド作業はラトビアやオランダ、他にも海上で行われていたりもするようです。このほかにもインターコンチネンタル取引所ではロシア産のディーゼル燃料の輸送を認めていたりと、実際には経済制裁の抜け穴はいたるところに空いているようです。

これが現実

このような実態を見るとなかなかロシアに対する経済制裁というのも期待したほど効果が出ないということにもなりかねません。表では威勢のいいことを言ってはいますが裏ではこのようなことをしているのでは全く意味がないといってもいいでしょう。暴力団を取り締まるべき警察が裏では暴力団と仲良くやっているというようなよくある話のようです。人権を盾にきびいいことを言い出している欧州各国ですが、やはり自国のエネルギー事情や経済状況を考えるとそこまで厳しい制裁というのはやれないということなのでしょう。残念ですがこれが現実ということです。

まとめ

今日はロシアに対する経済制裁の抜け穴についてみてきました。正直、このようなことは起こってはいるのだろうと思っていましたが、実際その事実を突きつけられるとやっぱりなと失望した気持ちになります。そこまできれいな世界ではないということです。欧州は裏でこのようなことをしていますが、それはどの国もそうなのでしょう。中国などはあからさまにやっていますが、インドだって安いロシア産の石油を買うということを言っています。他にもロシアとつながりの深い中小の国々であればその傾向は強くなるでしょう。日本だってサハリンや他の権益を確保しているエネルギー関連事業などは手放したくないと思っているはずです。結局はそういうことなのです。そうであればあまり馬鹿正直に行き過ぎるとかえって日本だけ損をしてしまうということにもなりかねないのでそこはうまくやってほしいとは思いますが、あまり期待はできないのだろうとも感じます。