バブル崩壊が起きるときに、その流れに乗るべきか

米国の株式市場についてこれまでのような強気な相場はもう続かないだろうという予想は多くあります。もちろん強気なものもありますが、ここ数年のような強さを予想するものはさすがに少なく、せいぜい横ばいか若干の上昇を予想する程度です。多くの識者は今年は株式相場の下落を予想し、その流れは数年続くとする意見も多く存在します。もし、その予想が当たっていた場合、投資家としてはどのようなスタンスでいればいいのでしょうか。そのヒントとしてジェレミー・グランサム氏の発言が参考になるのではないかと思い、今日はそれを共有したいと思います。

今後はよりタカ派となるFRB

ジェレミー・グランサム氏は現在の米国市場に対して非常に悲観的な見方をしています。常日頃から悲観的な予想をしている人なので、その分は差し引いて考える必要はあるかと思いますが、それでも現在の米国市場を見ているとその見方については否定しづらいのではないかと思います。そのグランサム氏は今後、FRBがよりタカ派になると考えています。

私は、FRBが(引き締め予想)レンジの強い側で行動すると確信する。私は、FRBが、インフレが(人々の期待に)組み込まれないよう大いに努力すると確信する。私はまた、それが困難であると確信する。

引用:The Financial Pointer ジェレミー・グランサムが奨めるバブル終期の身の振り方 より

グランサム氏はこのように述べ、FRBが現在のインフレを制御することができず、その結果としてより強い引き締め政策に打って出るとみています。その結果として現在の高い株価は大きく下落を続け、バブルは崩壊するというのです。

奇策のようなものはない

そのためグランサム氏は投資家に対して以下のような行動を推奨しています。

  • 問題に近寄るな: 高い市場・銘柄は避けろ。
  • バリューに重点: 割安な国・銘柄。
  • いくらかの現金: 買場を待て。

引用:The Financial Pointer ジェレミー・グランサムが奨めるバブル終期の身の振り方 より

この発言については何も新しいことはないような気がします。株価が下落する局面ではよく言われることです。なのでつまらない話だなと思うかもしれませんが、要はそんなうまい話はないということでしょう。何か奇策を用いて何とかなるような時代ではないということです。古典的でも確実に身を守るすべを実行するべきだということだと思います。

何が起きようとも投資スタイルは変えない

しかし、現在の株価はまだバブル崩壊のような極端な動きは見せていません。バブル崩壊というのは利上げの局面などでいきなり起こるのではなく、最後のひと上げといわれるような上昇を起こした後に起こるのです。実際現在は企業業績は好調ですし、市場にはまだ資金があふれています。なので今すぐ下落するということはないでしょう。しかし、グランサム氏の考えが正しいのであればその局面は必ず来ます。なので投資家としてはそれを踏まえて対応しなければなりません。その方法としては3通りの方法が考えられます。

  • 《最後のひと上げ》に参加せず:《尻尾と頭はくれてやる》覚悟。
  • 《最後のひと上げ》に参加: 自身のマーケット・タイミングの能力に賭ける。
  • 長期投資: マーケット・タイミングは考えずロングを継続、我が道を行く。

引用:The Financial Pointer ジェレミー・グランサムが奨めるバブル終期の身の振り方 より

いずれの方法でもうまくやれば大けがをせずにすむでしょう。しかし、個人的には3番目の何が起きようとも長期投資を続けるというのが一番確実で簡単だと思います。いつ下落するのかというタイミングが分かればいいのですが、そんなことができる人はまずいません。であるならば余計なことを考えずに初志貫徹していくことが一番いいと思います。歴史的に見てもその方が一番資産を守れることは証明されています。賢明な投資家はよりシンプルな方法で確実な道を進むものです。

まとめ

今日はジェレミー・グランサム氏の発言から今後の株式市場について考えてみました。今後の株式市場がどうなるかわかりませんが、私は現在の自由資本主義というものがなくなるとは思いませんし、そう願っています。なので必ず株価は上昇すると確信しています。もちろん短期的には下落することも大いに考えられますが、長期的に見れば上昇することはまず間違いないと思いますし、そう願っています。なので何が起きようとも今のスタンスを変えることはしません。もし、この上昇が終わる局面を見極めたいとか、見極めることができるという人はバブル崩壊のタイミングを狙って投資してみてもいいでしょう。個人的には小遣い程度でやる分には面白いかもしれませんが、自分の人生をかけてまでやろうとは思いません。何が起きようとも退屈な投資生活を地道に続けるのみです。