個人投資家にはぜひ知ってもらいたい投資哲学の一つ

投資に対する考え方というのは人それぞれです。私はバリュー株やインデックスへの長期投資を基本としているのでウォーレン・バフェット氏の考え方を一番参考にしています。その他にもレイ・ダリオ氏など様々な投資家や専門家の意見を取り入れています。その中で今日はプライベート・エクイティ大手カーライルの共同創業者デービッド・ルーベンスタイン氏の投資への考え方を紹介したいと思います。この考え方を見た時に非常に共感できる部分が多かったのでぜひ多くの人にも見てもらいたいと思ったからです。

結局のところ確実なものは何もない

ルーベンスタイン氏はBloombergのインタビューでこのように述べています。

投資とはある程度直観である。

引用:The Financial Pointer デービッド・ルーベンスタインの地に足の埋まった教え より

この意見には個人的には非常に共感します。今まで投資を20年近く行ってきましたが、どれだけ銘柄分析をしようが専門家の意見を参考にしようが、確実にこれをやれば大丈夫というものはありませんでした。何をやってもうまくいかないし、適当にやったことの方がうまくいくなんてこともありました。結局のところ未来に絶対というものは存在しないし、ある程度割り切って投資をしなければいけないのかなとは思っています。ただ、そうはいっても無駄なことはしたくないし、できる限り損はしたくありません。自分がプロであるならばその確率を少しでも上げるような努力をしたと思いますが、副業で投資をやっている個人投資家である私にそんな時間も余裕もありません。なので私が考えていることは勝つことではなく負けないことです。投資で資産を倍にしてやろうとか市場よりも良いパフォーマンスを上げようとかは考えず、とにかく資産を失わないこと、負けないことを考えて投資をするようになりました。結果として可能な限りポートフォリオを分散させ、インデックスやバリュー株に投資するのがよいだろうということになったのです。ですが、当然これだって確実である保証はありません。ルーベンスタイン氏の言葉を借りれば直感ということになるでしょう。結局はそうするしかないのかなと思っています。

国が表に出てくる必要はない。すべて市場に任せるべき

その他にもルーベンスタイン氏はとても素晴らしい発言をしています。

国家はこの分野に投資しろとかあの分野に投資しろとか集権的権限を持つべきではない。そうした計画経済はうまくいかない。何が本当にうまくいき、いかないか市場に委ねるべきだ。

社会が良い投資家を得れば、資本が良い企業に与えられ、良い企業が資本を得て成長すれば、社会・従業員・経済の生産性にとって良いことになる。だから、投資は社会にとって重要なワザなんだ。

引用:The Financial Pointer デービッド・ルーベンスタインの地に足の埋まった教え より

これは現在の日本政府にもよく言って聞かせたい言葉です。国が手を出してきてよくなったことなんてほとんどないでしょう。以前も言いましたが、ジャパンディスプレイなどがいい例です。結局のところ、政府がお金を出してあれをやれこれをやれといったところでうまくいくことはまずありません。そんなことをするよりも民間に任せた方が圧倒的にうまくいくし、コストも安く済みます。そういうことはすべて市場に任せ、政府はそれがうまく行くように後押しをすればいいだけです。無理に前面に出てくる必要はありません。そのように良い投資家によって企業が支えられ、成長していけば社会や労働者にとっても非常に利益になることは明らかです。そんな風に経済が回るようにしていくことこそが政府の役割だと思います。

目的設定を間違ってはいけない

最後にもう一つ、重要なことをルーベンスタイン氏は言っています。

自分が投資して次のAmazonやAppleを作り出せるとは思わないこと。その可能性はとても低い。・・・新たなウォーレン・バフェットになろうとは思わないこと。そうなる可能性はとても低い。

引用:The Financial Pointer デービッド・ルーベンスタインの地に足の埋まった教え より

これはとても重要なことです。巷には投資での成功体験が非常にあふれています。それを読むとなんだか自分にも同じことができてしまいそうな気がするでしょう。しかし、そんなことはまず無理です。私はウォーレン・バフェット氏を尊敬しています。なのでそうなれたらと思うことはよくあります。しかし、私はバフェット氏ではありません。どんなに努力してもバフェット氏にはなれないのです。もちろん世の中には特定の分野で大成功し、歴史に名を残すような人もいることは事実ですから、努力すること自体を無駄だとは言いませんし、する必要がないとも言いません。あくまでそれは結果であり、目標としてはいけないのです。努力した結果、そうなってしまったのであればそれは素晴らしいというのであって、最初から目指すべきものではありません。そこを間違うととんでもないことになると思います。

まとめ

今日はデービッド・ルーベンスタイン氏の発言から投資家としてのスタンスを考えてみました。同氏の発言は非常に共感できるものが多く、投資をしている人であれば思うことが一つはあるのではないでしょうか。結局、投資の結果というのはだれにもわかりませんし、保証されているものは何一つありません。なので最後は直観だというのは非常にわかる気がします。その直感を少しでも磨く努力をし、大成功をするのではなく負けないように戦略を組み立てていく必要があると思います。それが個人投資家として正しいと今は思っています。この辺に関してはいろいろ意見があると思うし、皆さんの意見を否定するつもりもありません。ただ、私は今までの経験と先人の意見を参考にしてこのような投資スタイルでいるというだけです。もし、自分の投資スタイルに悩んでいるのであれば参考になるのではないかと思います。