米国の金利が上昇する中ドル円が上がらないのはなぜか

米国の利上げが迫る中、ドル円が上昇傾向にあります。円金利が変わらない状態で米ドルの金利が上昇するのですから当然といえば当然です。しかし、最近は一時期の勢いはなくなってきているように見えます。1月4日に1ドル116円台を付けて以降、上昇傾向は停滞しています。FRBのタカ派転向もあり、今年はそれなりの金利上昇が見込まれていますが、それにしては上昇幅が少ないようにも思えます。その理由についての解説がマネクリに掲載されていたので今日はそれを紹介したいと思います。

米ドル金利上昇でも、なぜ米ドル/円は上がらなくなったのか | 大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX | マネクリ マネックス証券のお金と投資のオウンドメディア

3月の利上げについては織り込み済み

FRBは今年数回の利上げをすると発表しています。それがいつになるのか、またどれくらいの規模になるかはわかりませんが、最近の発言からそれは早期に行われ、規模も2%程度にはなると思われています。その結果として3月の利上げというのはすでに市場に織り込まれているようです。なのでそれ以降の利上げがどうなるのかということが今後の為替相場に大きく影響してくると思われます。

金利が上がれば債券価格は下落する

3月の利上げが織り込まれているとはいえ、今後も利上げが続くことはほぼ間違いなく、高インフレの状況を考えるとより早期かつ強めの金利政策をしてくることも予想されます。しかし、ドル円はそこまで大きく反応していないようにも見えます。理由はいくつかあると思いますが、一つに米国債価格の下落があるようです。国債の価格と金利というのは相関関係にあります。金利が上昇すれば債券価格は下落し、金利が下落すれば債券価格は上昇します。なので金利が上昇している現在、債券価格は下落しているのです。米国債は米ドル建てですから米国債が売られるのであればそれは間接的にドルが売られることとなります。日本もそうですが、多くの機関投資家は安全性の高い米国債で多額の運用をしています。その米国債の価格が下落するのであれば損失を避けるために国債を売却しようとするでしょう。その結果ドル円相場にも影響が出てくるというわけです。

債券がダメなら株式へとなっていない

米国債を売って得た現金はどうなるでしょうか。そのお金というのは遊ばせておいていいものではないので何かしらで運用しなければいけません。債券がダメであれば株式にと普通であれば思うかもしれませんが、現在は株式も下落傾向です。なので資金を株式市場に移すわけにもいかないのです。このように現在、投資資金は株にも債券にも行き場がなくなってしまっているという緊急事態が起きていると思われます。

日本の投資家が資金を逃避させている

その結果として資金が円に流れてくるために円が買われ、ドル円相場が上昇しないということになるのですが、それはなぜなのでしょうか。それは日本が対外純資産をたくさん持っているということが影響しています。投資家は何かしらの経済的ショックが起きた場合、資金を自分の手元に戻そうとします。その結果日本の投資家が世界中に投資していた資金を日本へ戻そうとするのです。その結果、円が買われ、ドルが売られるのです。

物事はそんなに単純ではない

単純に考えると米ドルの金利が上がればドルが買われそうですが、世の中そう単純にはいかないということです。金利だけで見れば確かにそうですが、経済は金利だけで動いているわけではないから当然です。あらゆる状況を見定め、冷静な対応が必要ということでしょう。今回は債券も株式もすべて悪いということで円に資金が逃げてきています。なので何かしら株式市場にとってプラスの状態になれば、金利が上昇しても資金を円に逃がすことなく株式市場に流れるということになるでしょう。そうなれば過度な円高にはならず、円安ドル高の流れになっていくと思われます。しかし、今年は非常に不安定な状況は続きそうな感じです。FRBもインフレの抑制にかなり本気のようですし、物価の状況によっては予想外の行動に出てもおかしくはありません。そういう意味でも今年の株式市場や為替市場は荒れる可能性が大きいでしょう。そのことをきちんと頭に入れて投資をする必要があると思います。

まとめ

今日は米国の金利上昇と為替の影響について考えてみました。今年はFRBの金融政策に翻弄されそうな感じがします。最近も株価が大きく下げているし、神経質な動きが続くでしょう。しばらくは投資家にとって非常につらい状態が続くかもしれませんが、目先に状況であわててはいけません。株価が下落しているということはむしろ安く株を買えるチャンスが来たともいえます。長期的に見れば米国をはじめ世界の株式市場は上昇することはほぼ間違いないと思います。すべての国や人々は成長しようとしますから、そうであれば株式は上昇するはずです。なので今は辛抱強く耐える時期なのだろうと思います。