イーロンマスク氏の個人資産が34兆円になったそうです。

先日、マネックス証券の投資情報サイト「マネクリ」を読んでいたらこんな記事が載っていた。

テスラ(TSLA)の上昇でイーロン・マスクの個人資産は前人未到の3000億ドル(34兆2000億円)に | 石原順の米国株トレンド5銘柄 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

テスラが時価総額1兆ドルクラブの仲間入り、10月のテスラ株の上昇率は5割超え。ウーバードライバーは、ハーツのレンタルプロ…

なんと、あのイーロンマスク氏の個人資産が3000億ドルになったというのである。日本円にしておよそ34兆円というとてつもない金額で、とても想像もつかないレベルだ。現在、環境への影響から化石燃料の使用量を削減する動きが出てきているが、その流れにうまく乗ったということだろう。それにしても34兆円とはすごい。

テスラの時価総額も一兆ドル越え

テスラの株価は非常に順調に伸びている。10月には年初の価格から50%以上の上昇を見せ、大台の1000ドルに乗せている。株価上昇の大きな要因は米レンタカー会社がテスラの車を10万台注文したようで、この売り上げは42億ドルにもなるようだ。このようにテスラ車の販売は非常に好調である。その要因として車載電池の性能向上があるらしい。今までは電池は経年劣化が激しく、時間経過とともに走行距離も短くなる傾向があった。しかし技術の進歩により、経年劣化が著しく小さくなり、長期間の使用も問題なくなってきている。それにより中古車価格が下落しにくくなり、利益も上昇しているようである。

過去一年間のテスラの株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウター

EV車の販売台数は飛躍的に拡大している

現在は世界中でEV社の販売は拡大している。中国や欧州では特に伸びており、ガソリン車よりも販売台数が多くなっている月もあるほどだ。ガソリン車は半導体不足を背景とした減産などがあり、販売台数が伸び悩んだこともあるが、この流れは止まることはないだろう。半導体はEV車にも当然搭載されているが、テスラではあまり半導体不足の影響はないようである。理由としては半導体メーカーが長期契約、大量発注をかけてくれる方を優先しているかららしい。自動車業界はより効率を求めて改善を繰り返してきた経緯がある。価格を絞り、在庫を極力減らすようにして利益を高めるようにしてきた。それが今の半導体不足の状況では不利に働いたようだ。供給が十分にあるのであれば、買い手が有利になるかもしれないが、今のような需要の方が大きいときは、供給側の都合が優先される。これはあたりまえだろう。今までトヨタなど日本の自動車メーカーが得意としてきたビジネスモデルは、供給不足の世の中ではうまくいかないのかもしれない。

テスラは広告費がゼロ

今回初めて知ったのだが、テスラは広告費を一切かけてないらしい。そのかわり資金の多くを研究開発費に回しているとのこと。じゃあどうやって消費者や世間一般に自分たちのことを知ってもらうのだとなるが、なんとそのきっかけになるのはイーロンマスク自身のブランドだという。イーロンマスク氏といえば、非常に熱狂的なファンも多く、その一挙手一投足は常に注目されている。自信もSNSで情報を発信しており、それだけで十分テスラの宣伝はできているというのだ。まさにSNS時代にふさわしいビジネスモデルといったところだろうか。しかし、こんなことはやろうと思ってもなかなかできることではない。すべての企業が広告費をかけずにビジネスをできればどんなにいいだろうと思っているはずだ。今はほとんどの企業がツイッターやラインなどSNSを使って情報を発信している。しかし、イーロンマスク氏ほどの影響力を持ったSNSはほとんどないだろう。本人は否定するだろうが、これは天から与えられた才能ではないかと思う。

引用:マネクリ テスラ(TSLA)の上昇でイーロン・マスクの個人資産は前人未到の3000億ドル(34兆2000億円)により

日本の自動車企業は大丈夫か?

今回の記事を読んで思ったことは、トヨタをはじめとした日本の自動車メーカーは大丈夫だろうか?ということだ。トヨタは今期も過去最高益を上げたようだし、しばらくは問題ないだろう。

朝日新聞デジタル

 トヨタ自動車が4日発表した2021年9月中間決算(国際会計基準)は、売上高は前年同期比36・1%増の15兆4812億円…

しかし、車のEV化に関しては明らかに後れを取っている。ハイブリット車を世界に先駆けて発売し、環境負荷の低減をいち早く行ってきたわけだが、現在は世界の流れからは若干遅れているように見える。ガソリン車をすべてなくし、EV車に完全に移行するという流れは正直どうかとは思う。電気だって発電の際は温室効果ガスは発生するのだから全く問題ないわけではない。再生可能エネルギーだって今年はヨーロッパが異常気象で風が吹かなくなり、風力発電があまり機能しなかったらしい。その結果何が起きたかというと、比較的環境にやさしい天然ガスの奪い合いである。このように、電気にしたっていろいろと問題があるのだから、完全EV化というのは個人的には実現しないのではないかと思っている。いずれ政策の転換が起こるだろう。しかし、そうはいってもしばらくはこの流れは止まらない。遅ればせながら、企業も政府も環境問題を以前よりは真剣に考えるようになってきた気はする。この問題は本当になんとかしないと日本の根幹を揺るがるようなことになる。日本の電機産業が衰退し、今や自動車産業が日本の大きな稼ぎ頭である。そこが大打撃を受ければ日本は壊滅的な状態になるだろう。

まとめ

イーロンマスク氏の個人資産は本当にとてつもない。私がどう頑張っても手にすることはないだろう金額だが、それだけのことをやってきたということだろう。テスラはこれからも車のEV化の流れを受け、成長を続けるだろう。個人的にはこういう急成長する株というのは手を出しづらい。あまりに値動きが激しいからだ。個人的にはもっと安定的に動いてくれる方が安心できる。なので投資することはないだろうが、注目はしていこうと思っている。

個人的には今回のニュースではマスク氏の資産よりも日本の自動車産業の方がどうなるかということが気になる。本当に大丈夫だろうか?中国メーカーの格安EV車もこれからどんどん日本に入ってくるだろう。世界もその流れは止まりそうもない。EV化の動きが変わるという私の予測が当たればいいのだが、当たらなかったり、予想よりもずっと遅くなると本当に壊滅的な打撃を日本は受けそうである。そうならないためにも何とか自動車業界には頑張ってもらいたい。そして政府にもしっかりとした対策をお願いしたいところだ。民間だから関係ないといってはいられない。世界は官民連合で動いている。日本も官民力を合わせてこの難局を乗り切るべきである。