米国のインフレはどこに問題があるのか

先日、12月の米国消費者物価が7%の上昇となり、非常に高いインフレが継続していることが明らかとなりました。これは1982年6月以来の数値です。1982年といえば米国が非常に高いインフレにより苦境に陥っていた時で、いわゆるボルカーショックが行われたときです。それ以来の消費者物価の伸びということで、インフレの抑制は米国経済にとっての最優先事項となってきています。そのインフレの原因についていろいろ言われていますが、ジェレミー・シーゲル教授は供給側の問題だけでなく、需要側の問題も指摘しています。今日はその件についてみていきたいと思います。

The Financial Pointer

最近のインフレ昂進と株価上昇を的中させてきたジェレミー・シーゲル教授が引っ張りだこだ。その教授が今一番声を大きくして…

消費者物価の伸びは1982年以来

12月の消費者物価の伸びは7%となり、1982年以来の高い数字となりました。しかし、シーゲル教授はまだまだ悪化する可能性を指摘しています。そのためFRBは金融引き締めをより強くしてくるだろうとみています。シーゲル教授はかねてよりFRBの姿勢を批判していて、金融引き締めが遅すぎるといってきました。そしてFRBは今年2%程度まで金利を上げるだろうと予想しています。2%というとなんだかとても高い金利のように思えますが、昔は5%や6%などは当たり前にありました。なので2%といっても金利が高すぎるということはないのです。そのくらいはしないと今年も7%程度の物価の伸びは続くだろうと教授は言っています。

原因は供給側でなく需要側の問題

非常に高いインフレですが、新型コロナウィルスパンデミックが収束すれば収まるのではないかという説も出ていますが、教授はそうは見ていません。パンデミックが収束すれば供給側の問題は解決に向かうでしょう。パンデミックによって生産体制の抑制を強いられているところは多くあります。そこが正常に機能してくれば物が足りなくなることによる物価上昇というのは抑えられるだろうという予想は立ちます。しかし、現在のインフレというのは供給側の問題だけでなく、需要側の問題が大きいとシーゲル教授は見ています。つまり、大幅な金融緩和により個人も企業もとてもお金持ちになりました。したがって非常に購買力が大きくなっているのです。なので少々供給側の能力が回復したところで物価は下がらないだろうというのです。であるならば需要側の力を抑えなければなりませんが、それには大幅な金融引き締めが必要となります。にもかかわらずFRBは金融引き締めに消極的だったためにシーゲル教授は批判してきたのです。

しばらく市場はFRBの動きに大きく影響される

インフレの原因としてはおそらくは一つではないのでしょう。需要側も供給側もどちらも問題を抱えているというのが正解ではないかと思います。なのでその両方の問題が解決しない限り正常な経済は戻ってこないのではないでしょうか。供給側の問題はパンデミックが収束しないと解決しないと思いますが、収束さえしてしまえば問題はなくなるでしょう。しかし、需要側の問題は何もしなければパンデミックが収束してもまだまだ残ったままです。それだけこの2年間で大量の資金を市場に供給したのですから、その分を回収しなければなりません。そしてようやくFRBがそのことに気づき、動き出したのです。ですが、やり方を間違えると大きな景気後退を招くことになるでしょう。今後もFRBは難しいかじ取りを要求されることになります。そしてその動きに市場は大きく影響されるでしょう。

その中で株式投資は有効な資産防衛の方法の一つ

いずれにせよインフレが続く中では株式に投資するのが最も資産を守るうえでもよい選択の一つです。シーゲル教授も一時的な下落は起こるだろうが最終的には今年も株価は上昇するとみています。もちろんそれ以上に物価が上昇してしまっては意味がありませんが、非常に低い金利の債券や現金よりはましということです。特に日本に住んでいる我々にとっては米国の物価上昇というのはほとんど影響は皆無です。なのでほとんど物価が上昇しない日本に住みながらインフレの米国に投資するというのはとても有効な投資方法だと思います。もちろん為替の影響がありますから、結果としてどうなるかはわからないので、そこは注意が必要でしょう。

まとめ

今日はシーゲル教授のインフレ予想についてみてきました。シーゲル教授は現在のインフレや株高などを予想していたようで、今最も注目されている識者の一人だそうです。そのシーゲル教授の意見は非常に参考になります。インフレの原因がどこにあるのかは正直確実なことは言えませんが、株式投資が有利なのは間違いないと思います。特に今まで放置されてきたバリュー株はインフレが続く限り有利になるでしょう。今年はFRBの金融政策に非常に注目が集まりそうですが、株式投資に対する姿勢は大きく変更する必要はなさそうです。