今後の日本株は期待できるのかもしれない

日本株に対するスタンスは悲観的になることが多いような気がします。インターネットなどでも日本株についてはあまりいい話は聞きません。実際日本の株価のパフォーマンスは米国など海外の市場よりも良くないのが現実です。新型コロナウィルスの影響により大きく下がった株価も欧米では比較的回復基調にありますが、日本はまだまだ力強さが足りません。このように日本株にはあまり期待ができないような雰囲気が多くありますが、そうは思っていない人も少ないですが存在します。そのなかでトウシルに「バブルの歴史に学ぶ:令和の日本株がさらに飛躍すると予想する理由」という記事が掲載されました。この記事では今後の日本株がさらに飛躍していくだろうという予想をしています。本当にそうなのか疑問は残りますが検討する価値はあるでしょう。そういうわけで今日はトウシルの記事をもとに今後の日本株について考えてみたいと思います。

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 本コラムで私は「日本株は割安と考える」とお話ししています。一方、「日本株はバブルだ、いつか来た道だ」と声高に警鐘を鳴ら…

今はバブルの頃とは全く違う

かつて日本はバブル景気に湧いた時期がありました。その当時は実態を伴わない株価上昇が起こり、一時3万8915円まで日経平均は上昇しました。その時の東証一部のPERはなんと60倍にもなっていたのです。それだけ日本という国に対して期待が集まっていたということでもあると思いますが、実態を伴わない株価上昇はその期待が剥がれてしまえば下落するのもあっという間でした。その後どうなったかというのはもう説明する必要もないでしょう。現在の株価は一時3万円台に乗せるなどかつての勢いを取り戻してきたようにも見えます。しかも現在の東証一部のPERは16倍と異常な期待感からの上昇というわけではなさそうです。つまり今の日本の株価はかつての実態を伴わない株価上昇ではなく、きちんと収益を上げての株価上昇になっているといっているのです。

いくら業績がよくても株価は上昇しなくなっている

バブル崩壊のあと、日本には様々な困難が待ち受けていました。日本の金融機関が多額の不良債権を抱え、多くの銀行や証券会社が倒産することとなりました。それでも何とか不良債権処理を終え、その後多くの企業が生き残りのための合併などを繰り返し、業務の効率化・収益力の強化をしていきました。その結果、生き残った企業は着実に業績を上げるようになり、成長をしていきました。そして海外にも進出するなどかつての勢いを取り戻したかのような活躍を見せる企業も出てきます。その間、ITバブルやリーマンショックなどいくつもの困難はありましたが、第二次安倍政権以降、ようやく国の後押しもあり日本の株価は上昇していくことになります。しかし、そのパフォーマンスは諸外国に比べると見劣りするものがあります。いくら企業業績がよくても株価は上昇しなくなっているのです。日本株の売買に影響を与えるのは主に外国人投資家です。そして、日本市場というのは米国や中国をはじめとした海外要因に大きく左右されます。なのでいくら日本企業の業績がよくなっても株価上昇にはつながらなくなっているのです。それだけもう日本の影響力というのは小さくなっているということでもあるのでしょう。実際世界の株式市場の半分は米国のみで占めています。なので結局は米国次第で世界の株式市場は上昇もするし下落もするというのが現状なのです。なので、日本株が上昇しないというのも仕方のないことなのかもしれません。

今後の展開はどうなるのか

今後の日本株については結局のところ米国をはじめとした海外要因が大きな要素となることは変わらないでしょう。現状日本という国はすでに世界に対して大きな影響力を持てなくなっています。そのような状況でいくら業績を上げたとしても投資家はあまり注目してくれないのです。どうせ今がよくても世界が悪くなれば日本も悪くなるのだろうということです。非常に悔しい話ですが仕方ありません。しかし、世界経済が回復すれば当然日本株もまた上昇するでしょう。その時に業績がより良い企業は株価が上がりやすくなるでしょうし、評価もされやすいはずです。なので、全く注目されてない今のうちに仕込んでおくというのは間違いではないと思います。特に今は過去最高益を上げているにもかかわらず、PERが非常に低位で推移している企業というのは実はたくさん見受けられます。そういう意味では日本株は絶好の買い時なのかもしれません。

まとめ

今日はトウシルの記事をもとに日本株の今後について考えてみました。正直私はこの記事の著者ほどの自信をもって日本株には期待をしていません。確かに今日本株は非常に割安で、業績も好調な企業もたくさんあります。しかし、これからの将来のことを考えるととても楽観的に離れないのです。30年間も全く成長しなかったこの国が、この先きちんと成長できるのか。この数年はおそらく高いインフレの波が押し寄せ、日本でも消費者物価の上昇が起こることはほぼ間違いないでしょう。その時に日本という国はその衝撃に耐えられるのか。考えれば考えるほど心配になり、なかなか投資する気が起きてきません。しかし、危機というのは後から振り返ればチャンスだったということは珍しい話ではありません。もしかしたらあの時が日本が変わることができたポイントだったと語られるようになるのかもしれません。そのくらい今の世界情勢や日本の置かれている状況は変革が起こりやすい状況だと思います。なので何とかこの機をチャンスととらえ、うまく成長できるようになってほしいと思っています。そのためには各企業はもちろんのこと、業界団体や政治の世界も一丸となって頑張る必要があるでしょう。正直あまり期待できないような気はしますが、そこは何とかしてほしいものですし、一国民としてきちんと責任は果たしていくつもりです。