洲本市がふるさと納税から除外される。

投資とは少し違うかもしれませんが、お得な商品としてふるさと納税があります。これは自分が払うべき住民税や所得税の一部を居住地の自治体以外に寄付することができる制度です。自己負担2000円分はかかってしまいますが、自分が生まれ育った自治体や災害支援を行うための寄付などを手軽にできる制度として機能しています。特に、お得な返礼品がもらえることが多く、そのために寄付をしているという人がたくさんいると思われます。よってふるさと納税を投資と同じような感覚で使っている人もいるのではないでしょうか。そういう意味では個人投資家にとっても非常にありがたい制度です。しかし、そのふるさと納税について残念なニュースがありました。寄付をするうえで注意するべきものであり、大切なことなので今日はそれについてみていきたいと思います。

ふるさと納税は納税する自治体を選べる制度

ふるさと納税は個人が払うべき住民税や所得税の一部を自分が納めたいと思う自治体へ寄付することができる制度です。そのため自分にとって特別な自治体や災害が起こった際の寄付として用いられることが最近は多くなってきました。そしてその返礼として豪華な賞品がもらえることがあるため、それを目的として利用している人も多いのが現状です。また、ふるさと納税が自治体にとって重要な収入源となっているところも多く、寄付を獲得するためにかなり無理なサービスをしているところも出てきたりと問題も多く発生しています。

返礼品には上限がある

そのため総務省は返礼品について寄付金額の3割を上限とするルールを設けることになりました。あまりに行き過ぎた寄付金獲得競争が起こったために本来の目的から大きく外れた状態になってしまったためだと思われます。そのため寄付する側にとっては以前よりも魅力は薄れることになりましたが、それでも2000円の自己負担でもらえる対価としては十分価値があるため、今もふるさと納税の魅力は大きく損なわれてはいません。

洲本市が違反により2年間、制度から除外されることになった

そんな中、先日兵庫県の洲本市がふるさと納税の違反を指摘され、今年5月1日からの2年間、制度の対象から除外する処分を受けました。

 総務省は26日、ふるさと納税制度の対象から、兵庫県洲本市を除外すると発表した。期間は5月1日から2年間。同市の返礼品「洲本温泉利用券」の調達費が、寄付額の30%以下とする国の基準に違反したと認定した。除外は3例目で、兵庫県内の自治体の処分は初めて。同市は2020年度、全国8位の約54億円の寄付を集めていた。

引用:Yahooより

この記事にもあるように、ふるさと納税に対する調達費の解釈についての見解の違いにより、洲本市は3割の上限を超えた返礼品を行っていたとされたようで、ペナルティを科せられることとなったようです。記事を見てみると、3割の返礼品というものが商品や調達費を含んだものであるが、それがどこまでを含むものなのかという解釈の違いによって起こったようです。洲本市はそれを極力抑えるような形で提供しており、同じ商品を提供している他の自治体よりも安くしていたようです。そうなれば当然寄付する方としてはよりお得な洲本市に寄付するのが普通なので、不公平感が出てしまうのです。この辺りについては若干グレーな部分があり、制度の不備があるようにも思えますが、それを行っているのが洲本市だけという現状を考えると、若干悪意も含んでいたのではないかとは思います。そしてこのような事態に陥れば損失を被るのは自分たちなのですからもっと事前調査などはきちんと行うべきだったでしょう。それによって大きな損をするのは洲本市自身ですし、寄付をできなくなる市民なのです。そういう意味では今回の事態は非常に残念であるといわざるを得ません。

過去にも同じように除外された自治体がある

今回のようなふるさと納税の違反による制度からの除外は今回で3例目のようです。

同省は19年6月、返礼品の調達費を寄付額の30%以下とするルールを導入した。これに違反して除外されたのは洲本市の他に、20年7月の高知県奈半利町、今年1月の宮崎県都農町がある。

引用:Yahooより

そこまで頻繁に起こっているというわけではないようですが、定期的には起きているようにも思います。制度ができてずいぶん経つのでだんだん成熟しては来ていると思いますが、このような違反をする自治体は今後も出てくる可能性は十分にあります。特に大都市などはふるさと納税のために大きく税収が落ち込んでいるという話もあります。そういう意味ではふるさと納税事態にも厳しい意見があることも事実であり、違反に対する視線というのは厳しくなることは間違いないでしょう。市民にとっては非常に低リスクで行える投資のようなものですからなくなっては困ります。そういう意味でもあまり余計なことをして風当たりが強くなるようなことは避けてほしいところです。競争が起こり、サービスが向上するのは大歓迎ですが、やりすぎには注意してほしいところです。

まとめ

今日はふるさと納税の違反についてみてきました。個人的には洲本市のハンバーグが好きだったのでちょっと残念です。本当にうまみが強くておいしかったので、しばらく利用できないというのはかなりもったいないなと思いました。一時期の熱狂のため、違反に対する監視というのは厳しいでしょうし、結構時間もたってきているのでこういう話も少なくなってくるとは思いますが、あまり制度に対する批判が起こるようなことはやめてほしいと心から思います。こんなにおいしい制度はなかなかありません。なのでなくなっては困るのです。そういう意味でも各自治体には節度をもって取り組んでほしいと思います。